研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05823
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
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研究分担者 |
野田 仁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (00549420)
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20611198)
太田 信宏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40345319)
石井 正子 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (40353453)
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
熊倉 和歌子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (80613570)
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
122,200千円 (直接経費: 94,000千円、間接経費: 28,200千円)
2024年度: 28,210千円 (直接経費: 21,700千円、間接経費: 6,510千円)
2023年度: 25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2022年度: 26,390千円 (直接経費: 20,300千円、間接経費: 6,090千円)
2021年度: 23,270千円 (直接経費: 17,900千円、間接経費: 5,370千円)
2020年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
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キーワード | イスラーム / コネクティビティ / 信頼 / ネットワーク / 平和構築 / コミュニティ / ムスリム / 文明 / つながり / 経済 / 移民 / 思想 |
研究開始時の研究の概要 |
イスラーム文明は1400年の歴史の中で、人と人の水平方向の「つながりづくり」を発展させて拡大してきた。人・モノ・情報の移動の現場の多彩なつながりづくりを「コネクティビティ」という言葉でとらえ、そこで人と人、集団と集団の間でどのように信頼が構築されてきたかを明らかにする。イスラームの歴史的な国家間関係、人々のしたたかな戦略的行動と思想、世界の紛争現場における平和構築、といった各方面からこれらの問題に取り組む。人文情報学の手法も使い、これまで意識されつつも具体的に見えてこなかった「暗黙知」を明らかにして、現代世界にて深刻化する分断をのりこえるための確かな「戦略知」を提示する。
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研究実績の概要 |
4年度目に当たり、各計画研究班、および新たに加わった各公募研究の研究活動を統括しつつ、これまでの研究成果を振り返り明らかにしてきた論点を整理しながら中間報告書作成し、6月に提出した。(「A」の評価を受けた。) 11月18日に全体集会として公開シンポジウム「いま、地域から「豊かな食」と「つながり」を考える」(地域研究コンソーシアム年次集会シンポジウムとの共催)を開催した。世界各地のムスリムが食を通じていかなる関係づくりをしてきたか、食文化の多様性と通文化的な共食の在り方をめぐり、議論がなされた。 3月1-3日に第3回国際シンポジウム“Exploring the Tacit Knowledge of Trust Building and Connectivity amidst Predicaments”を開催した。基調講演の特別セッションに加えて3つのセッション、さらに若手研究者に向けた公募形式のポスターセッション、ショートプレゼンテーションのセッションも設定して議論する機会を確保した。 研究成果の一部として、「シリーズ イスラームからつなぐ」の『3 翻訳される信頼』『4 移民・難民のコネクティビティ』の2巻を刊行し、『2 貨幣・所有・市場のモビリティ』の刊行準備を行った。 4月27日に内戦激化のスーダン、10月12日に情勢が劇的に悪化したパレスチナ・ガザに関する緊急オンライン講演会を開催するなど、研究成果の社会還元にも努めた。また保育園を会場とした展示や市民団体と共催によるシビルダイアログにも力を入れた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すべての計画研究班がそれぞれの計画に基づいた研究を進めており、公募研究も連携する計画研究班・総括班との共催ワークショップなどを通じて順調に研究を進めている。 プロジェクト全体の大きな柱としている全体集会・国際会議・東京大学出版会からの研究叢書シリーズの刊行もほぼ予定通りに進行している。中間評価においてもAの評価を得たが、2023年度は以前のCOVID-19の影響を脱してより活発な研究が進行しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は最終年度に当たるため、(1)2025年1月11日開催予定の研究成果取りまとめのための第5回全体集会、(2)2025年2月22-24日開催予定の研究成果を世界に問う第4回国際会議、(3)研究叢書としての「シリーズ・イスラームからつなぐ」第2、5-8巻の刊行・年度内完結を最重要課題とする。同時に、これまで各計画研究班・公募研究の研究を推進するなかで新たに見いだされた問題・課題を明確化して、特に「Junior会議」として非公式ながら実体を有している若手研究者の組織を中心に、発展的なプロジェクトを育てるよう支援する。
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