研究領域 | 高密度共役の科学:電子共役概念の変革と電子物性をつなぐ |
研究課題/領域番号 |
20H05862
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関 修平 京都大学, 工学研究科, 教授 (30273709)
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研究分担者 |
熊井 玲児 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (00356924)
橋本 顕一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00634982)
瀧宮 和男 東北大学, 理学研究科, 教授 (40263735)
忍久保 洋 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50281100)
芥川 智行 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60271631)
久保 孝史 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60324745)
酒巻 大輔 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60722741)
竹内 正之 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, センター長 (70264083)
福島 孝典 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (70281970)
竹延 大志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70343035)
深澤 愛子 京都大学, 高等研究院, 教授 (70432234)
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
前田 大光 立命館大学, 生命科学部, 教授 (80388115)
須田 理行 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80585159)
畠山 琢次 京都大学, 理学研究科, 教授 (90432319)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
313,170千円 (直接経費: 240,900千円、間接経費: 72,270千円)
2024年度: 52,520千円 (直接経費: 40,400千円、間接経費: 12,120千円)
2023年度: 52,520千円 (直接経費: 40,400千円、間接経費: 12,120千円)
2022年度: 52,520千円 (直接経費: 40,400千円、間接経費: 12,120千円)
2021年度: 43,810千円 (直接経費: 33,700千円、間接経費: 10,110千円)
2020年度: 111,800千円 (直接経費: 86,000千円、間接経費: 25,800千円)
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キーワード | 電子共役 / スピン / 高密度構造 / 伝導 / ゆらぎ / 状態密度 / X-conjugation / 熱ゆらぎ |
研究開始時の研究の概要 |
Center of Scienceとしての化学は,基盤学問分野の中で,おそらく最も多くの学問分野と境界領域を接している。『高密度共役の科学』総括班はこの境界領域での “Translational Research”を介した“X”-conjugationの学理構築のための司令塔である。電子ツール・遠隔会議の活用により効果の最大化を目指す領域運営を基本とし, “Translational Research”推進のための徹底討論の場の提供を通じ,国内外に新しい電子共役の概念:“X”-conjugationを発信し,100年後の教科書に残る物質科学を創成する。
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研究実績の概要 |
『高密度共役』領域総括班の具体的な取り組みとして挙げている,1)第二回高密度共役公開シンポジウムを京都大学においてハイブリッド型で実施し,領域外への積極的な広報として日本化学会化学フェスタ・年会におけるシンポジウム・中長期テーマ講演会,PACIFICHEM2021における本領域が主体となったシンポジウムなどを実施した.また,領域横断研究会の中核として活動を進めると同時に,現代化学誌に領域内研究紹介の定期刊行を行い,2021年度終了時点ですでに20回弱を数えている.2)派遣型マイスター制度に関しては,領域内において相互研究者派遣を再開し,計画班・公募班含めて約20件の派遣実施を行った.3)次世代研究者育成のための高密度共役フェロー・ジュニアフェロー制度の運営に関しては,さらに1件のフェローの採択を行い,加えてジュニアフェローとして領域内計画・公募研究を合わせて12件の採用を行った.このうち,のちに学術振興会特別研究員に採用されたものは60%を超えている. 2021年度,計画班メンバー及び領域内に新たに加わった公募班メンバーを加え,新しい研究共創の場としてオンライン領域会議を毎週,ランチョンセミナーとして実施し,新しい共同研究の展開の場として機能させた.2021年度だけで30件超の共同研究成果の論文発表につながった.また,若手Closedミキサーの定期的な実施を進め,特に学生間での活発な研究討議の場として定着させた. 高密度共役物性評価拠点として名古屋大学に重点整備設備の導入を行い,領域内共同研究の共用設備として稼働を開始している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各班連携によるTranslational Research型研究の実施は,極一時的に国内外の研究者交流が再開したものの,当初予定した実施はそのほとんどが見送られた.一方でこの間隙をぬって,領域内活動の一端を占めるURA・フェローの来日・着任が実現し,領域運営の推進において大きな役割を果たした. 主にオンラインを駆使した効率的な共同研究循環が行われ,1)高密度共役公開シンポジウムにおける偶発的な意見交換に基づく領域内共同研究の発芽も見られている.この結果は,2021年度内での論文による共同研究成果発表に明らかに結実し,新たに加わった公募研究との共同研究への発展も顕著にみられている.2)国内研究者派遣型研究は計画班・公募班にかかわらず着実に進行した.3)高密度共役フェローとしの新たな採用・ジュニアフェロー制度への採択は,その後のテニュア研究者への着任・学術振興会特別研究員への採用と着実なステップを踏みつつあり,特に後者が領域内外における若手研究者の育成に鍵となることが明らかとなった.4)引き続き海外への研究者派遣・海外からの研究者招聘は2021年10~11月期を除いて完全に停止し,これが国際活動支援にかかわる総括班経費の繰越に直結したが, 2020年度に予定していた共用設備の導入は無事終了し,高密度共役物性評価拠点として稼働を開始した. 若手Closed ミキサーは年度内に計5回実施し,活動制限下の若手研究者・大学院生の重要な研究活動・意見交換・着想の場となっている.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,年度内を通じてCOVID-19制限を強く被ったが,オンラインを利用した国内外の研究議論は順調に推移し,最終目標に向けた研究展開に大きな問題は発生していない.引き続き大きな障害となったのは,1)国際共同研究の直接的な人的交流による実施であり,2021年度中も完全にこれを停止せざるを得なかった.2023年度の本格的な再開と共に,国際連携研究として必須となる要素を中心に,集中的実施する予定である. さらに顕在化した問題点は,国内の電気代高騰に伴う共用設備の停止期間長期化であり,本領域でも従来利用してきたSPring-8/KEKなどの大型施設の極端な利用制限にとどまらず,各計画研究・公募研究においても一定の研究活動制限を受け,非常に大きな障害となっている.2023年度以降,状況が大きく好転しない限りは,領域で対処可能な推進方策としては打つ手がない.
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