研究領域 | 脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作 |
研究課題/領域番号 |
20H05914
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 帝京大学 (2023-2024) 東京大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
狩野 方伸 帝京大学, 先端総合研究機構, 教授 (40185963)
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研究分担者 |
牛場 潤一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00383985)
菅谷 佑樹 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (00625759)
金丸 隆志 工学院大学, 先進工学部, 教授 (10334468)
内ヶ島 基政 新潟大学, 脳研究所, 研究教授 (10614662)
高橋 琢哉 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20423824)
辻 晶 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 連携研究者 (30850490)
大木 研一 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50332622)
ヘンシュ 貴雄 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任教授 (60300878)
宮田 麻理子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70281631)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
235,430千円 (直接経費: 181,100千円、間接経費: 54,330千円)
2024年度: 27,690千円 (直接経費: 21,300千円、間接経費: 6,390千円)
2023年度: 27,690千円 (直接経費: 21,300千円、間接経費: 6,390千円)
2022年度: 27,690千円 (直接経費: 21,300千円、間接経費: 6,390千円)
2021年度: 26,260千円 (直接経費: 20,200千円、間接経費: 6,060千円)
2020年度: 126,100千円 (直接経費: 97,000千円、間接経費: 29,100千円)
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キーワード | 臨界期 / 神経可塑性 / 神経回路再編成 / 発達 / 機能回復 |
研究開始時の研究の概要 |
生後の限られた時期の経験が特定の脳機能の発達や獲得に重大な影響を及ぼす。この時期を臨界期と呼び、その基盤には神経回路の再編成がある。最近、成熟動物において臨界期を再開できる可能性が示された。一方、脳傷害の後の一定期間、神経回路の可塑性が上昇して機能回復が起きやすい、一種の臨界期が生ずる。本領域では、臨界期を、生涯に亘って生じ得る「神経回路再編成の可能性が高い限られた時期」と捉え直した。様々なアプローチで神経回路の可塑性と操作、脳の機能発達、脳傷害からの回復などを追求するトップレベルの研究者を集結し、臨界期のメカニズムを解明して、脳と心の発達と機能回復の理解を深め、生命科学に学術変革をもたらす。
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研究実績の概要 |
本領域で掲げた研究課題の遂行を加速するために、計画研究代表者全員が参加する総括班を組織し、以下の諸活動を担当した。 ①領域企画(狩野);②班会議・研究交流(狩野、高橋);③研究・技術支援(狩野、大木、内ケ島、ヘンシュ、牛場);④研究倫理(牛場);⑤若手支援(宮田、辻);⑥広報(金丸、内ケ島);⑦国際活動支援(ヘンシュ) 令和4年5月から、若手の公募研究代表者を中心に、1回につき1名または2名がその研究内容について1時間程度を使って詳細に紹介し、それについて議論する「オンライン研究交流会」を開始した。令和4年12月までに11回開催し、19名が発表した。令和4年7月1日に、日本神経科学大会(NEURO2022)において、「臨界期生物学」をテーマにシンポジウムを開催し、狩野、宮田、大木、高橋、ヘンシュが発表した。令和4年8月2日~4日に、第3回領域班会議を東京大学の講堂にて、領域発足後初めて対面形式で開催した。COVID19による行動制限などのために現地参加できない研究者および学生のために、オンラインを併用したハイブリッド形式を採用した。研究代表者による口頭発表に加えて、若手研究者や学生によるポスター発表をバーチャル形式で行った。また、この間に第3回総括班会議を開催した。若手支援では、大学院生の国際学会への出席の支援および国内学会への参加支援を行った。令和4年12月16日には、昨年に引き続いて、次世代脳・冬のシンポジウムにおいて、グリアデコード領域(領域代表:岡部繁男教授)と合同で、若手中心のシンポジウムを開催した。令和5年1月10日~11日には、海外からの6名の招待講演者を含め、講演者15名による国際シンポジウムをハイブリッド形式で開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年の8月にはCOVID19の感染のピークがあり、少なくとも12月までは引き続き、感染対策による行動制限が強かった。このような状況で、特に公募研究の研究代表を中心に、「オンライン交流会」を立ち上げ、これまで19名の詳細な発表を聞くことができた。領域班会議では、1名あたりの発表時間が20分程度に限定せざるを得ないが、オンライン研究交流会では、研究の背景から、実験で苦労した点などについても議論ができ、研究の理解を深めることができた。令和4年12月16日には、昨年に引き続き、次世代脳・冬のシンポジウムにおいて、グリアデコード領域と合同で、若手中心のシンポジウムをオンラインで開催した。一方、できる限り、対面での交流の機会を設けるように努力した。令和4年8月2日~4日には、第3回領域班会議を東京大学の講堂にて対面で現地開催したが、現地参加できない研究者や学生はオンラインで参加できるようにハイブリッド形式を採用した。令和5年1月10日~11日には、海外からの6名の招待講演者を含め、講演者15名による国際シンポジウムをハイブリッド形式で開催した。さらに、大学院生の国際学会への参加と海外研究室訪問の支援など、若手研究者支援も行うことができた。このように、COVID19による様々な行動制約の中にあっても、ほぼ予定した研究活動を遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年5月から12月までに、「オンライン研究交流会」を11回開催し、12月には令和3年に引き続き、グリアデコード領域と合同で若手中心のシンポジウムを開催するなど、令和4年中はオンラインでの活動が中心であった。一方、令和5年1月10日~11日には、海外からの6名の招待講演者を含め、講演者15名による国際シンポジウムをハイブリッド形式で開催した。令和5年になって、COVID19による行動制限が大幅に緩和されており、今後は、領域班会議をはじめ、多くの活動を基本的に対面形式で行う予定である。また、若手研究者の研究交流や海外研究者との交流など、人の移動を伴う若手研究支援や国際交流事業を積極的に行う。一方、オンライン研究交流会など、これまでに構築した情報交換の機会は継続し、研究集会も必要に応じてハイブリッド形式を取り入れる。このように、対面形式を基本としつつ、リモート形式を組み合わせた効果的な研究交流と情報交換を進める。
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