研究領域 | 素材によって変わる、『体』の建築工法 |
研究課題/領域番号 |
20H05941
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 康博 京都大学, 工学研究科, 教授 (80442929)
|
研究分担者 |
新美 輝幸 基礎生物学研究所, 進化発生研究部門, 教授 (00293712)
近藤 滋 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10252503)
秋山 正和 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (10583908)
船山 典子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30276175)
小沼 健 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30632103)
後藤 寛貴 静岡大学, 理学部, 助教 (60737899)
田尻 怜子 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (70462702)
山崎 慎太郎 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (70581601)
大澤 志津江 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (80515065)
|
研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
285,480千円 (直接経費: 219,600千円、間接経費: 65,880千円)
2024年度: 33,150千円 (直接経費: 25,500千円、間接経費: 7,650千円)
2023年度: 33,150千円 (直接経費: 25,500千円、間接経費: 7,650千円)
2022年度: 33,150千円 (直接経費: 25,500千円、間接経費: 7,650千円)
2021年度: 31,460千円 (直接経費: 24,200千円、間接経費: 7,260千円)
2020年度: 154,570千円 (直接経費: 118,900千円、間接経費: 35,670千円)
|
キーワード | 発生学 / 分子生物学 / 生物物理学 / 物理工学 / 設計工学 / 発生生物学 / 応用数学 / 情報科学 / 数理生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は、素材によって工法を選び、組み立てることで「体」を建築する。本領域では、この素材の加工という新しいパラダイムを提示することで、後期発生以降の形態形成の原理に挑む。このパラダイムは「工業」そのものであるため、工業デザイン技術の生物への応用と、生物で得られた知見の産業応用が期待できる。この目的のために、総括班は、様々な分野の実験系と理論系の融合推進、異分野からの若手研究者の参入支援など、領域推進の司令塔としての機能を担う。
|
研究実績の概要 |
総括班では、本領域研究の目的達成のため、領域会議の開催、共用機器の運用、オープンサイエンス、ワークショップの企画運営、共同研究支援、広報活動の推進等を行っている。2022年6月に第3回領域会議をハイブリッド形式で開催し、班員間の連携構築と研究交流を促進した。さらに、実験系班員の抱える課題解決に向けて、夏期・春期ワークショップを開催し、泊まり込みで基礎的なことからじっくりと議論することで、新たな目標設定につなげた。 総括班による共用機器の支援を継続的に行い、マルチアングルライブイメージングシステムおよびマイクロCTの活用が進んでいる。数理系班員の開発するソフトウェアについても、領域ホームページでの公開が進んでいる。 関連分野への領域広報と異分野研究者の参入促進のため、国内外のシンポジウムを企画・開催した。特筆すべきは、他の学術変革領域研究と合同で開催したシンポジウムであり、複数領域が協働して数理研究の加速を目指す画期的な取り組みとなった。また、若手研究者や大学院生のエンカレッジを目的として、海外で活躍する日本人研究者によるオンラインセミナーを開催した。さらに、夏期数理勉強会を開催し、数理チームの技術や経験知の共有を図り、学生・研究員の領域内留学につなげた。加えて、サイエンスアゴラ2022に出展し、本領域の成果を広く一般に発信した。 以上のように、総括班の活動により、領域内の研究交流や共同研究の促進、異分野連携、若手研究者の育成、社会への発信等が活発に行われ、本領域研究の目的達成に向けて着実に進展している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本領域研究は、総括班の活動を中心に、順調に進展している。第一に、領域会議やワークショップの開催により、班員間の連携や研究交流が活発に行われ、新たな共同研究の立ち上げや目標設定につながっている。特に、実験系班員の抱える課題解決に向けた泊まり込みのワークショップは、基礎的な事項からじっくりと議論できる貴重な機会となっている。第二に、総括班による共用機器の支援や数理系班員の開発するソフトウェアの公開により、領域内の研究基盤が強化されている。これらの取り組みは、本領域の目的達成に不可欠な要素であり、着実に成果を上げている。第三に、シンポジウムの企画・開催や他の学術変革領域研究との合同シンポジウムにより、関連分野への領域広報と異分野研究者の参入促進が図られている。特に、複数領域が協働して数理研究の加速を目指す取り組みは、本領域の先進性を示すものであり、今後の発展が大いに期待される。第四に、若手研究者や大学院生のエンカレッジを目的とした取り組みが積極的に行われている。海外で活躍する日本人研究者によるオンラインセミナーや夏期数理勉強会の開催は、次世代の研究者育成に貢献するものであり、本領域の持続的な発展に寄与するものと考えられる。第五に、サイエンスアゴラへの出展など、社会への発信活動も活発に行われている。本領域の研究成果を広く一般に伝えることは、科学の社会的意義を高める上で重要であり、今後もこうした活動を継続していくことが求められる。以上のように、本領域研究は、総括班の活動を中心に、研究交流や共同研究の促進、異分野連携、若手研究者の育成、社会への発信等の面で着実に成果を上げており、順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
本領域研究の目的達成に向けて、総括班では引き続き、班員間の連携促進と研究支援に取り組む。コロナ禍の収束を受けて、領域会議とワークショップは対面での開催を中心に企画する。特に、実験系班員の抱える課題解決に向けたワークショップについては、対面での議論・交流を通じて、研究支援・共同研究の調整を円滑に進められるようにする。また、数理系班員の技術・知見の共有と、生物学分野における数理支援体制の強化を目的として、夏期数理勉強会を継続的に開催する。さらに、領域内の若手研究者や大学院生を対象に、海外で活躍する研究者による講演会やセミナーを企画し、国際的な視野を持つ人材の育成に努める。海外交流の促進については、欧州分子生物学機構(EMBO)との共催で国内ワークショップを企画し、海外の研究者を招聘する予定である。このワークショップを通じて、本領域の研究成果を国際的に発信するとともに、海外の研究者との交流を深め、新たな共同研究の創出や研究の国際化を図る。研究成果の発信についても、引き続き注力していく。領域ホームページでの情報発信や、高校での出張講義等のアウトリーチ活動を継続するとともに、サイエンスアゴラ等の科学イベントへの出展を通じて、研究内容や成果を広く一般に伝える機会を設ける。加えて、国内外の学会やシンポジウムにおいて、本領域の研究成果を積極的に発表し、関連分野の研究者との交流を深めることで、領域の認知度向上につなげる。以上のように、総括班を中心に、対面での研究活動の活性化、国際交流の促進、人材育成、社会への発信等に多角的に取り組むことで、本領域研究の更なる発展を目指す。
|