研究領域 | あいまい環境に対峙する脳・生命体の情報獲得戦略の解明 |
研究課題/領域番号 |
21H05167
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (60455334)
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研究分担者 |
雨森 賢一 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (70344471)
本田 直樹 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (30515581)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自由エネルギー原理 / 予測符号化 / 能動的推論 / 限定合理性 / David Marr / 神経回路 / 葛藤 / 認知 / データ駆動的解読 / 数理モデル / ベイズ推定 / 知覚 / 意思決定 / 好奇心 / AI / 新FEP理論 / 神経科学 / 情報獲得 |
研究開始時の研究の概要 |
本領域「あいまい脳」では、脳・生命体の情報獲得過程に学び、予測があいまいな場合の意思決定を統一的に説明できる理論(新自由エネルギー理論)を新たに提唱し、その理論によって提唱される神経メカニズムを実験によって実証することを目的とする。学術変革(B)の3年間では、最先端の神経活動計測技術を導入し、脳・生命体の情報獲得戦略の本質に迫る。一連の脳機能の実験・理論研究は、自ら情報を求めて学習していく自律アルゴリズムなどの工学応用のみならず、精神疾患、生命科学の数理・実験モデルへの発展が期待される。本領域研究により、人工知能、臨床精神医学、システム生物学などの既存の学問分野に革新的な変革・転換をもたらす。
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研究成果の概要 |
自由エネルギー原理は、完全合理性のもとで展開されるため、ヒトを含む生物のモデル化には限界がある。無限の計算資源があるAIとは異なり、有限の知識と計算能から成る生物が完全な合理性を達成することは原理的に困難である。「あいまい脳」では、自由エネルギー原理の問題点を克服し、限定合理性を持ったシステムがどのように予測の最適化や行動戦略を導き出すのかをMarrの3階層を指針として、その計算理論、アルゴリズム、脳内実装を明らかにした。総括班は、3つの計画班の融合や技術共有を促進し、研究成果を社会還元する役割を担った。領域会議に領域アドバイザーや外部研究者を招待し、議論を深め、研究や領域運営に反映させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、限定合理性のもとでの脳内計算原理の一端を明らかにし、柔軟で自律的な知性を実現するための手がかりを得た。神経疾患や精神疾患は、予測や葛藤の脳内情報処理のバランス異常として捉えることができる。本領域の研究は、神経疾患や精神疾患の診断法や新たな治療戦略の創出に貢献できると期待される。さらに、自らの予測のあいまいさに基づいて、目的志向の行動を切り替え、自律的・能動的に情報獲得を行う「あいまい脳」を有するAIの計算原理が導けると期待される。
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