研究領域 | 「当事者化」人間行動科学:相互作用する個体脳と世界の法則性と物語性の理解 |
研究課題/領域番号 |
21H05171
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80322056)
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研究分担者 |
金原 明子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30771745)
綾屋 紗月 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (40641072)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,680千円 (直接経費: 33,600千円、間接経費: 10,080千円)
2024年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2023年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 当事者化 / 共同創造 / 文理融合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来の学術が学術者のみによって行われてきた歴史を変革し、障害のある人と学術者が共同で研究デザインを立案する「研究の共同創造」を推進します。そのために、学術者自身が「当事者化」する、すなわち、従来の学術の枠組みにとどまるのではなく、共同創造型の研究に主体的にチャレンジするための方法として「学術者の当事者研究」を確立していきます。これらを通じて、インクルーシブな社会の実現に資する変革型の学術を提案します。
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研究実績の概要 |
運営総括、グループAにおいては、領域評価ボード、領域運営ボード、委員会による領域の運営を継続した。計画研究や連携研究を推進する月1回のオンラインセミナーを引き続き運営し、分野横断の学際的研究における相互理解や若手研究者の育成、及び、連携研究の推進に関する具体的方策を創出し、領域会議でも分野横断のディスカッションを行い研究の推進に寄与した。ニュースレターでもオンラインセミナーや領域会議の様子を報告した。 グループBでは、「学術者の当事者化」の方法を模索し、学術の目的、対象、方法の変革に資する知を若手の会などで議論し、領域会議でもその方法を採り入れた。 グループCにおいては、本領域の主要な計画研究の遂行にあたって、研究デザインの段階からの共同創造を支援した。具体的には、統合失調症研究の優先順位についての当事者へのアンケート調査の結果を解析した。従来の医学モデルの研究に留まらず、当事者研究や、障害の社会モデルの概念・方法を取り入れ、解析に既存の研究データベースを用い、当事者の考える研究ニーズと、既存の研究テーマとのギャップについて調べた。 グループDにおいては、ひらめき・ときめきサイエンスプログラムを主催した。思春期前期の児童・生徒を対象に、思春期の脳とこころの発達と多様性について、講義・グループワーク・実習を組み合わせ、アクティブに体験的に学んでもらった。障害の社会モデルの考え方や共同創造の重要性を小中学生にわかりやすく伝え、多様性と包摂について社会の一員として自分の問題として考え、行動できる素養の醸成につなげた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当事者化人間行動科学若手の会では、学術業界の制度や構造に由来する切実な悩みを抱える若手研究者が、それぞれの経験や問題と思うことを持ち寄り、「学術者の当事者化」を進めていこう、という目標を掲げて活動した。会の様子を若手の会ホームページにて公開した。 無意識のバイアス解消や少数派への配慮に関わる意識改革や行動変容を推進する教職員研修プログラムとして、ダイバーシティおよびインクルージョンに関する全学FD・SDプログラムを、未来共創推進本部D&I推進分科会教育・研修タスクフォースの枠組みのもと全学に向けて提供すべく準備に着手した。マイノリティと学術者との研究の共同創造の取り組みとして、自ら自閉症である活動家、臨床医、セラピスト、教育者、研究者、有色人種の自閉症者、南半球やアジアの自閉症者、女性自閉症者、ジェンダーマイノリティに属する自閉症者からなる、当事者参加型自閉症研究の実現を目指すグループGlobal Autistic Task Force on Autism Researchに日本から綾屋が参加し、当事者参加型自閉症研究実現に向けた提言を国際共著論文として出版した(Pukki et al., 2022)。 研究デザインの段階からの共同創造を行う「統合失調症研究の優先順位についての当事者へのアンケート調査」では、当事者や当事者家族との意見交換を行い、当事者の考える研究ニーズと、既存の研究テーマとのギャップについて解析している。 ひらめき・ときめきサイエンスプログラムでは、思春期の脳とこころの発達と多様性や、障害の社会モデルの考え方や共同創造の重要性について、講義や実習・グループワークを組み合わせ、わかりやすく印象深く伝えた。参加者アンケートからも本プログラムが好評であったことが窺えた。 これらの点は、当初計画の予想を超える成果であり、「当初の計画以上に進展している」と自己評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
領域評価ボード、領域運営ボード、委員会による領域の運営を継続する。グループA)により、領域に参加する理系・文系研究者で、IIHBSの共通理解のもと、計画研究を進める月1回のセミナーを運営する。グループD)においては、若者の当事者化支援を行うウェブサイトを作成する。本領域の主要な計画研究の遂行にあたって、研究デザインの段階からの共同創造を支援する。また、統合失調症研究の優先順位についての患者アンケート調査の結果と既存の研究データベースに掲載されている統合失調症研究のテーマを組み合わせて解析する。学術者自身の非当事者状態からの回復のために開発した、ダイバーシティー&インクルージョンに関する研究者向けオンデマンド動画と、学術者向けにカスタマイズした当事者研究プログラムを、総括班X00において領域内の計画班員・公募班員等の若手学術者のみならず、領域内外のPI向けに提供する。また研究の共同創造を推進するため、障害者政策委員会メンバーや「自閉症研究に関する自閉症者による国際タスクフォース(GATFAR)」などとの連携も強化する。
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