研究領域 | 日本列島域における先史人類史の統合生物考古学的研究ー令和の考古学改新ー |
研究課題/領域番号 |
23H04836
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山田 康弘 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (40264270)
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研究分担者 |
太田 博樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40401228)
日下 宗一郎 東海大学, 人文学部, 准教授 (70721330)
出穂 雅実 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (20552061)
加藤 博文 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 教授 (60333580)
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00453712)
神澤 秀明 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (80734912)
中村 大 立命館大学, 研究部・衣笠リサーチオフィス, 職員 (50296787)
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30634414)
長田 直樹 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70416270)
那須 浩郎 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (60390704)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
78,390千円 (直接経費: 60,300千円、間接経費: 18,090千円)
2024年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
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キーワード | 考古学 / 人類学 / 人骨 / 生物考古学 / 骨考古学 / 研究統括 / 若手研究者育成 / 情報発信 / 統合生物考古学 / bioarchaeology / 動物考古学 / 植物考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
先史時代の考古学は、現在大きな曲がり角に来ている。それは、従来の純粋考古学的研究方法による成果が、自然科学的分析結果によって修正を余儀なくされる事態が多発している現状か らも明らかである。この状況を変化させるためには、考古学そのものが従来の文系学問領域からシフトして、新たな学問領域へと生まれ変わる必要がある。そこで本研究領域では、日本において、特に人骨・動植物遺存体などの出土資料を主たる対象として、考古学的手法と年代測定、同位体分析、ゲノム分析などの自然科学的な手法を加味したIntegrative bioarchaeologyの構築を提唱する。
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研究実績の概要 |
総括班は 計画研究の各班を統括し、領域研究全体の研究の進行状況を管理・調整する任務を負っている。このため、東京都立大学内のプロジェクト研究棟に事務局を立ち上げ、事務員を二名雇用し、各種の事業の円滑な実施をすすめた。 2023年度の総括班の事業として、会議・講演会関係は、各月における総括班会議(Zoom利用)以外に、研究会議を2回(第1回を7月31日、於東京都立大学、第2回を2月19日、於東京大学)、全体会議および公開講演会を3月24日、京都ホテルグランビアにおいて実施した。 若手研究者育成関係では、北海道礼文島においてフィールドスクール(2023年8月1日から19日まで、日本・アメリカ・台湾・ロシア・フランス・イギリス・メキシコ・フィリピン・中国の以上9カ国26名が参加)、学生および若手研究者を対象とした技術セミナー(12月9-10日、於東京大学本郷キャンパス、学生を中心に21名の参加)、若手研究集会(かささぎミーティング、2024年2月29日ー3月1日、於北海道大学遠友学舎、大学院生・ポスドクを中心に25名の参加)を開催した。 機材使用調整としては、3D計測器を購入し、B03班が実施している沖縄本島における研究調査に貸し出した。 情報発信としては、ホームページ(https://i-bioarchaeology.org/)を開設し、最新の情報をXにて公開している。さらに研究連絡誌として『Bioarchaeology』を創刊し、第1号の冊子体を各大学研究機関、および各県市町村の埋蔵文化財研究センター等に郵送した。またPDF版を個人研究者に電子メールにて配送するとともに、HP上にあげてダウンロード可能にしている。 データベースについては、縄文時代における出土人骨を修正し、Filemaker Proにて作成を行い、画像情報とリンクさせることで、来年度には公開可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書において、総括班は主に次の三つの仕事を行うとした。①の研究推進の促進(Plan・Doの調整機能)については、班長会議・研究会議を通して、各班における研究計画・実施状況を把握し、各計画研究間の研究活動の内容の調整・連携を図った。 ②の研究内容の総括・評価(Check・Actionの機能)については、各班長会議および全体会議によって各年2023年度における研究成果を相互に確認し、新たに調整・連携が必要とされた点について修正を行った。加えて研究会議・全体会議にあわせて外部評価者(総括班研究協力者)の評価を自主的に受け、各種コメントを得ている。 ③のデータベースの構築については、現在縄文時代における人骨出土例を集成し、これらの埋葬形態や形質的特徴を項目として約3000体分のデータベース(ただし図版なし)が完成している。今後、図版とデータをリンクさせて完成形をめざすことにしている。 このほか、各計画研究班において使用可能なハンディ型分光色差計や3Dレーザースキャナーを購入し、当初計画に基づきながら実際に各班において使用を進めている。また、若手研究者育成のための各種セミナーも実施しており、これらについては研究業績の概要に記したとおり、全て実施されており、申請書において記述したものについては、現在のところ滞りなく進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
現状において、総括班および各班における研究は、当初の予定通り、ほぼ順調に進んでいる。また、研究の中にはScienceなどの国際学術雑誌に投稿可能なレベルのものが出てくるなど、極めてレベルの高いものが生み出されている。これらの研究成果は、論文投稿・公開後の来年度以降に提示可能となるが、この様な研究進捗状況を見る限り、基本的には現状を維持しながら続けていくことが必要と考えている。
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