研究領域 | アシンメトリが彩る量子物質の可視化・設計・創出 |
研究課題/領域番号 |
23H04866
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鬼丸 孝博 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 教授 (50444708)
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研究分担者 |
大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
田端 千紘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究職 (60783496)
柳澤 達也 北海道大学, 理学研究院, 教授 (10456353)
大原 繁男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60262953)
吉田 紘行 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30566758)
網塚 浩 北海道大学, 理学研究院, 教授 (40212576)
井澤 公一 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90302637)
小林 達生 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (80205468)
小林 夏野 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60424090)
木俣 基 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20462517)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
299,520千円 (直接経費: 230,400千円、間接経費: 69,120千円)
2024年度: 114,010千円 (直接経費: 87,700千円、間接経費: 26,310千円)
2023年度: 101,530千円 (直接経費: 78,100千円、間接経費: 23,430千円)
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キーワード | アシンメトリ量子物質 / 交差相関 / 多極子 / アシンメトリ量子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、固体結晶の電子系の非対称性、「アシンメトリ」によって生み出される多彩な交差相関現象や非相反伝導を、電子系の複合自由度である多極子を使って理解し、革新的な機能物性を開拓する。量子ビーム解析技術と精密マクロ測定手法を駆使して、多極子の秩序を可視化し、交差相関応答の感受率を定量化する。これらの知見を生かして理解モデルを構築し、新機能を有するアシンメトリ量子物質を設計・創出する。これにより、次世代の物質科学の学術変革へとつなげ、アシンメトロニクスの学理の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、固体結晶の電子系の非対称性、「アシンメトリ」によって生み出される多彩な交差相関現象や非相反伝導を、電子系の複合自由度である多極子を使って理解し、革新的な機能物性を開拓することを目的とする。 研究領域の活動のスタートとして、2023年6月に岡山大学にてキックオフミーティングを開催した。領域代表による研究領域の概要説明、各計画研究の代表と構成メンバーによる研究計画についての説明があり、本領域が目指す方向について意見交換、議論した。8月には北海道大学でA01・A02共催のトピカルミーティングを、2024年1月には九州工業大学にてC01・C02共催のトピカルミーティングを開催した。領域外の研究者も招待し、最新の研究成果、挑戦的なテーマに関する議論を交わし、積極的な意見交換がなされた。国際交流活動として、フランス・グルノーブルにて国際ワークショップを共催し、大学院生を5名派遣した。さらに、「アシンメトリ量子セミナー」と銘打ったハイブリッド形式のセミナーを7回開催し、情報共有と議論の場とした。 領域の活動について広く発信するために、ニュースレターの第1号と第2号を9月と1月にそれぞれ発行した。また、研究領域のホームページを開設した。これらの媒体を通して、最新の研究成果やイベント情報などを発信した。国内外の大学生、高校生を対象としたアウトリーチ活動にも取り組んだ。スキル相伝の活動として、大学院生・若手研究者向けの「夏の学校ミニ」をハイブリッド形式で開催した。 共用機器備品の設置と運用に関して、広島大学に無冷媒低温物性評価システムを導入し、磁場下での電気伝導と比熱の測定環境を整備した。また、大阪大学にSQUID顕微鏡を組み上げるための計測器、駆動システム等を整備し、実験的研究の基盤を整えた。 研究総括を目的とした総括班会議を対面式で2回、オンラインで10回開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年6月に、岡山大学津島キャンパスにてキックオフミーティングを開催した。領域内外から総勢141名という多くの参加があった。研究領域としての情報共有の場となるとともに、挑戦的なテーマに関する議論、意見交換も活発になされ、よいスタートとなった。8月には北海道大学でA01・A02共催のトピカルミーティングを、2024年1月には九州工業大学にてC01・C02共催のトピカルミーティングを開催した。最新の研究成果に対する意見交換がなされ、領域内外の共同研究の活性化につながっている。10月には、フランス・グルノーブルにてH-Physics Workshopを共催した。領域から 9名が参加し、若手支援の一環として大学院生5名を派遣した。海外の研究者との交流を通して、国際的な共同研究が広がりをみせている。さらに、「アシンメトリ量子セミナー」と銘打ったハイブリッド形式のセミナーを7回開催し、関連するテーマの情報共有と議論の場となった。8月には、B01による夏の学校ミニをハイブリッド形式で開催した。100名を超える参加者があり、若手研究者の育成のよい機会となった。 ニュースレターの発行と領域ホームページを通して、最新の研究成果やイベント情報などを随時発信している。また、国内外の大学生、高校生を対象としたアウトリーチ活動にも取り組み、本領域の活動について紹介する機会となっている。 共用機器備品の運用に関しても、順調に進展している。広島大学に無冷媒低温物性評価システムを導入し、磁場下での電気伝導と比熱の測定環境が整備できた。また、大阪大学にSQUID顕微鏡を組み上げるための計測器、駆動システム等を整備し、実験的研究の基盤も着々と整っている。 研究総括を目的とした総括班会議を対面式で2回、オンラインで10回開催した。領域全体の活動や運用状況を把握し、全体の役割分担と意思疎通は十分にできている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度から計画研究に加えて公募研究が参加することを契機とし、領域内での研究連携をより強化して展開することを目指して、5月29-31日に東広島芸術文化ホールにて、領域全体会議・公募研究キックオフ会議を開催する。これまでに本領域にて得られた研究成果と今後の研究計画を共有し、領域としての研究方針をさらに明確にするべく議論を深める。また、9月20-23 日に、北海道・美瑛の国立大雪青少年交流の家にて「アシンメトリ量子秋の学校2024」を開催する。新進気鋭の若手研究者を講師として招き、大学院生向けの講義を開く。次世代の物質科学を担う若手研究者・大学院生の交流の場とし、研究者として成長するきっかけとする。10月には、フランス・ツゥールーズにて国際ワークショップを共催する。「アシンメトリ量子セミナー」を引き続き開催し、関連するテーマの情報共有と議論の場とする。その他、計画研究で企画するトピカルミーティングを開催する。 前年度に引き続き、ニュースレターを発行し、領域のホームページを通して、最新の研究成果やイベント情報などを随時発信する。科学リテラシーの向上を目指して、アウトリーチ活動にも取り組む。 共用機器備品の設置に関して、東北大学に集束イオンビーム走査電子顕微鏡システム (FIB-SEM) を導入する。また、大阪大学にSQUID顕微のための計測器等を整備し、アシンメトリ量子物質のドメイン可視化に向けた研究基盤を整える。 研究総括を目的とした総括班会議を随時開催し、領域全体の研究活動や運用の進捗状況の把握し、全体の役割分担と意思疎通を図る。また、オンラインチャットツールを活用して、進捗情報をリアルタイムに共有しながら意見交換を行うことで、さらに発展的な共同研究を推進する。
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