研究領域 | 天然物が織り成す化合物潜在空間が拓く生物活性分子デザイン |
研究課題/領域番号 |
23H04880
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊地 和也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70292951)
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研究分担者 |
榊原 康文 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10287427)
伊藤 寛晃 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (20758205)
丹羽 節 九州大学, 薬学研究院, 教授 (30584396)
荒井 緑 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (40373261)
大森 建 東京工業大学, 理学院, 教授 (50282819)
大上 雅史 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (50743209)
上田 実 東北大学, 理学研究科, 教授 (60265931)
鎌田 真由美 北里大学, 未来工学部, 教授 (70749077)
吉田 稔 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, グループディレクター (80191617)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
123,630千円 (直接経費: 95,100千円、間接経費: 28,530千円)
2024年度: 23,660千円 (直接経費: 18,200千円、間接経費: 5,460千円)
2023年度: 26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
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キーワード | 化合物潜在空間 / 生物活性分子 / 深層学習 / ケミカルバイオロジー / 天然物有機化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本領域では、天然物、合成化合物のリソースから提供される生物活性データを基に深層学習によって構築した化合物潜在空間を第3の化合物リソースとして活用することで、生物活性分子に必要な構造パターンを明らかにし、生物活性分子デザインの普遍的法則を見出す。天然物化学を規範としたケミカルバイオロジーと情報学との融合研究を展開することで、生物活性分子のデザインにおける複雑構造の単純化工程、及び類似活性をもつ新規骨格化合物探索、双方の革新的スピード化と省力化の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本領域では天然物化学を規範としたケミカルバイオロジーと情報学との融合研究を展開することで、生物活性分子のデザインにおける複雑構造の単純化工程、及び類似活性をもつ新規骨格化合物探索、双方の革新的スピード化と省力化の実現を目指す。本年度は総括班内での班会議を対面、オンライン含め定期的に行い、ケミカルバイオロジー班からの標的分子とアッセイ法、情報班における化合物空間の生成手法、有機合成班における合成計画について互いの知見を共有した。また、領域全体に関わる収集データおよび化合物情報の収集形式・管理方法、化合物における権利関係の擦り合わせ等について方針をつくり、膨大なサイバー分子デザインラボ構築のための基盤をつくった。この他にも各計画班員同士で共同研究の打ち合わせや実験を進めている。広報活動としては領域HPおよびSNSの立ち上げを行い、領域の説明、領域メンバーと研究成果について広く公開した。また第一回領域会議(キックオフシンポジウム)をハイブリッド形式で8月に行い、本研究領域および公募研究に関する説明を行った。また、各学会(有機合成化学協会、CBI学会、日本化学会、日本薬学会、日本農芸化学会)において本研究領域が主催、共催するシンポジウムを行い、領域代表から本領域の説明、領域メンバーから本領域に関わる研究成果について発表を行うことで各学会員に本領域について周知を行った。若手育成に関しての成果の一つとして、計画班に所属する大学院生の国外研究室への派遣の支援(米国、3か月)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケミカルバイオロジー班、情報解析班、有機合成班の3班が集う総括班内での会議をおおよそ3か月に1回のペースで行った。互いの分野も異なる中、定期的に集い意見を交わすことで本領域推進のための方策をスムーズにまとめることができた。加えて、会議を発端に班間の共同研究も実施、進展することができた。また、天然物のような比較的大きく、分子構造が複雑な分子を化合物潜在空間に提示できる手法について論文発表した。本領域において重要となる化合物潜在空間の構築のための基盤技術になるものと考える。領域の若手も含めたメンバーの受賞や職位の昇進もあり、大いに活躍している環境にある。以上のことからおおむね順調に進んでいるものといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画班に加え、公募班員も本領域に加わるため、公募班も加えた全体の領域会議を6月に実施し、計画班員からの成果発表、及び公募班員からのポスター発表を行うことで互いの研究アプローチについて深く議論し、本領域の目指すところを共有した上で領域内共同研究のきっかけとなる場を提供する。また、領域メンバーが参加する合宿形式のリトリートを11月に企画し、研究者同士の連携と共同研究の議論をさらに深め、領域内の共同研究の展開を図る。このほかにも各班員同士の共同研究の打ち合わせの場を提供、サポートし、化合物潜在空間の構築と、提案される分子の合成と評価を進める。広報活動としては各学会、研究会での領域主催のシンポジウムを引き続き開催し、領域の成果をアピールする。また、領域会議の一部は公開シンポジウムとして開催し広く成果を発信する。領域HPおよびSNSにおいては研究成果の定期的な更新、各班の研究内容についての記事(ブログ)を発信する。若手育成に関しては前年度に引き続き大学院生、若手研究者の国内および国外の関連する研究機関への派遣の支援を行う(1~3か月、数件を予定)。
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