研究領域 | 炭素資源変換を革新するグリーン触媒科学 |
研究課題/領域番号 |
23H04901
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大井 貴史 名古屋大学, 工学研究科(WPI), 教授 (80271708)
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研究分担者 |
小島 隆彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20264012)
大宮 寛久 京都大学, 化学研究所, 教授 (40508876)
平井 剛 九州大学, 薬学研究院, 教授 (50359551)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
49,660千円 (直接経費: 38,200千円、間接経費: 11,460千円)
2024年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2023年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | ラジカル / 分子性触媒 / 炭素資源変換 / 光反応 / 電気化学反応 / ラジカル反応 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な社会の実現には、再生可能なエネルギーを活かして、必要な物質を遍在する資源から無駄なくつくりあげるグリーンな技術が不可欠である。しかし、それを担う有機合成化学では、熱エネルギーを利用したイオン反応が主流であり、原料として利用できる炭素資源の多様性は極めて低く、廃棄物を抑えて合成できる有機分子の構造も限られている。この現状を抜本的に変革するため、光や電気エネルギーを利用した触媒によるラジカル反応の制御法を開拓するグリーン触媒科学を創発する。これらを用いて、あらゆる炭素資源から付加価値の高い有機分子を最短工程で合成するための分子変換法を開拓する。
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研究実績の概要 |
ラジカル反応は、官能基に依存せず広範な資源を原料とした真に持続可能な物質生産を実現する力を秘めているが、短寿命で過激に反応するラジカルを自在に制御し望みの変換を実現するための学理の構築はなされていない。本研究計画では、無機・錯体化学、固体・表面化学と有機化学の融合を軸として、光や電気エネルギーを利用した触媒によるラジカル反応の制御を実現することを目標とし、相互に連携するA01ラジカルの発生を制御する触媒の創製、A02ラジカルの結合形成の制御を指向した触媒開発、A03革新的な分子変換反応の開発、の三項目を柱とした領域研究の運営全般を行う。総括班では、15名の計画班員と2名の分担者の間で領域目標をしっかりと共有し、相互に議論・意見交換することで先駆的かつ質の高い基礎研究を推し進めるだけでなく、E-トリプレット(E-Course・E-Discussion・E-Visit)による取り組みを浸透させ次世代を担う人材の育成に取り組む。 本年度は、令和5年7月3日にキックオフシンポジウムおよび第1回総括班・計画班会議を名古屋大学で開催し、令和6年1月18日に第1回公開シンポジウムおよび第2回総括班・計画班会議を同大学にて実施、翌19日には第1回リトリートA ROOMを蒲郡で行い、各班員の現在進行形の研究を共有し、協創研究を始動・加速させるための議論を密に行った。同時に、領域ホームページの立ち上げとニュースレターを発行し国内外への広報活動を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、総括班、計画班および国内アドバイザーが集う機会を3度設けており、領域の発足から始動に際する課題の確認や今後の道筋を立てるための議論が十分に行えたと考えている。領域ホームページやSNSを活用することで円滑に情報を共有・発信可能な状態が整ったと言え、ニュースレターでは最新のトピックスとともに計画班員の研究をより詳細に知ることができる。また、領域内で様々な協創研究が動き出しており、全体として順調に本計画研究が進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、第2回公開シンポジウムと第2回リトリートを開催予定であり、公募班員が加わることで生まれてくる協創研究の広がりを十分に活かした領域研究を推し進める。また、領域の研究に関連した国際シンポジウムを開催することで成果の発信のみならず、人的な交流を生み出すことで国際協創研究へと発展させる。人材の育成に関しては、若手研究者のみでの研究の今と今後を議論する次世代リトリートA TABLEを開催し、全く新しい研究の萌芽につながる知的、人的な基盤を創る。
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