研究領域 | 稲作と中国文明-総合稲作文明学の新構築- |
研究課題/領域番号 |
15H05969
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
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研究分担者 |
澤田 純明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10374943)
岡崎 健治 鳥取大学, 医学部, 助教 (10632937)
宮田 佳樹 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (70413896)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (50569283)
渋谷 綾子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (80593657)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
120,120千円 (直接経費: 92,400千円、間接経費: 27,720千円)
2019年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2018年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
2017年度: 24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
2016年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2015年度: 33,930千円 (直接経費: 26,100千円、間接経費: 7,830千円)
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キーワード | 人類学 / 年代学 / 骨考古学 / 古病理学 / 考古植物館 / 考古科学 / 考古植物学 |
研究成果の概要 |
稲作起源地である長江デルタにおいて、新石器時代人骨の形態学・古病理学・同位体分析による食生活復元から、人々の健康や食生活の時代変遷を研究した。長江では狩猟採集による獲得経済から食料生産社会へと緩やかに移行したとされるが、初期段階でも幼少期のストレス増加や家畜ブタの積極的管理に大きな変化もみられた。新石器時代全体では、四肢骨形態や土器脂質分析で行動や食生活の変遷が見られ、抜歯様式や同位体比の多様性などから他地域との交流が示された。とくに良渚遺跡群で確認された遠隔地からの移動は、社会複雑化と都市や国家の形成に関する重要な発見だ。一方、アジア最古の結核も発見され、社会複雑化の負の側面も示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会の複雑化や国家形成の過程について、従来は物質文化から研究されてきたが、人骨そのものに記録された生活や病気の痕跡から、そのプロセスの一端を示すことに成功した。とくに遠隔地からの物の移動は直接的に運搬されたのではなく、多くの人の手を介していたと考えられていたが、本研究によって予想外に遠方よりヒトが移動している可能性が初めて示され、中国文明の形成における長江下流域の直接的な影響を示す証拠となった。また異文化との交流が社会の複雑化や国家形成を促した可能性は、メソポタミアとインダスの交易などでも議論されており、中国文明のみならず都市や国家の誕生という人類史の画期について極めて重要な知見を提示できた。
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