研究領域 | パレオアジア文化史学ーアジア新人文化形成プロセスの総合的研究 |
研究課題/領域番号 |
16H06410
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北川 浩之 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (00234245)
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研究分担者 |
藤木 利之 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (10377997)
田村 亨 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10392630)
長谷川 精 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (80551605)
近藤 康久 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (90599226)
奈良 郁子 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 研究機関研究員 (70414381)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
120,510千円 (直接経費: 92,700千円、間接経費: 27,810千円)
2020年度: 24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
2019年度: 25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2018年度: 25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2017年度: 25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2016年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
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キーワード | パレオアジア / 環境史 / 編年 / ホモ・サピエンス / 気候変動 / 居住環境 / 環境適応 / 古気候解析 / 年代測定 / 古環境 / ホモサピエンス / アジア / 古気候 / 住環境 / 環境変動 |
研究実績の概要 |
新学術領域研究「パレオアジア文化史学-アジア新人文化形成プロセスの総合的研究-」(平成28~32年度)の計画研究A03「アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明」では、新人がアジアに拡散し定着した時代の気候・環境に関わる知見を集約し、アジア各地の新人の居住環境や生活様式(生活の痕跡)を探り、新人文化の形成過程の理解を促すことを目的としている。本研究の4年目にあたる2019年度には、①南アジア地域(特に、オマーン、パキスタン、インド・カシミール地域)の古環境・考古学研究の実施、②新たなアプローチによる乾燥地域の定量的な気候復元研究、③モンゴル・ベトナムで採集した湖沼堆積物の解析及び過去の気候変動の復元、④居住地の環境適応を考慮したホモ・サピエンスのアジアへの拡散モデルの構築について重点的に取り組む予定であった。①に関しては新型コロナウイルスの拡大によって実施できなかったが、②~④に関して研究が進展した。②では、乾燥地分布するジプサムの酸素同位体比から過去の水文学的な変化を探るアプローチを確立、死海周辺から採集した試料を使った過去の降水変化の復元を行った。一方、炭素14年代測定に良好な試料が得られない乾燥地帯の遺跡の年代測定法として、花粉化石の炭素年代測定法の開発を進めた。③に関しては、モンゴル・ベトナムで採集した試料の分析を実施し、過去の気候変動データの蓄積を進め一部の研究成果を論文として公表した。④に関しては、古気候モデルを使った気候変動再現結果をエージェントベースモデルに組み込み、ホモ・サピエンスの拡大ルート、拡大の障害となる地域、異なる気候への適用が強いられる地域の特定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新学術領域研究「パレオアジア文化史学」の計画研究A03「アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明」では、アジア各地の現地研究者と連携した考古・古環境調査の実施を推進してきた。しかし、新型コロナウイルスの拡大のため海外渡航の制限で、海外フイルドの調査が実施できなかった。現地の研究者と情報交換のためのオンライン会議を行い研究を進めた。前年度までの海外調査で得たデータの解析、前年度までに日本に持ち帰った試料や現地研究者から提供された試料の多角的な分析(地球化学分析・堆積学的な分析・年代測定)を行い、過去の気候変動・環境変動・考古学的な試料の年代測定が進展した。研究成果の一部は、専門雑誌に投稿することができた。また、海外調査が十分にできない部分に関してコンピュターモデルを使い補完的に研究を進めた。さらに、モンゴル科学アカデミー古生物・地質研究所のNiiden Ichinnorov上級研究員、スラエル・ヘブライ大学Moti Stein教授、トナム科学技術アカデミーのPhong Dan Xuan准教授らと連携し北東アジア、西アジア、東南アジアの地域の過去の気候変動、古気候再現モデルを使った過去の気候変動と古気候復元の違いについて詳細な検討を行った。計画した海外調査が実施できなかった点を除けば、おおむね研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度から4年間で、アジア各地で(イスラエル・オマーン・パキスタン・インド・ベトナム・モンゴル)、現地研究者と連携した現地調査・研究体制が整っている。新型コロナウイルスの拡大が抑制されれば、現地調査をを実施する。過去3年間の現地調査で採集した試料の分析、データの解析を進める。考古学的の情報が蓄積されている東地中海地域レバントやアラビア半島、パキスタン内陸部などの乾燥地域では過去の環境を探る方法が限られている。本研究課題で開発したジプサムの水和水の酸素・水素同位体比や植物珪酸体の酸素同位体比などに注目した最新の研究手法を導入し、現生人類が定着した時代の乾燥地帯の水文学的状態につて定量的に復元する。本研究で計画した海外調査に関しては新型コロナウイルスの拡大が収束し、海外渡航が可能となった時点で実施する予定である(新型コロナウイルスの拡大状況を鑑みて研究期間の延長も検討)。
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