研究領域 | スロー地震学 |
研究課題/領域番号 |
16H06478
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 (2018-2020, 2022) 東京大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
波多野 恭弘 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (20360414)
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研究分担者 |
住野 豊 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 准教授 (00518384)
鈴木 岳人 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10451874)
山口 哲生 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20466783)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
94,380千円 (直接経費: 72,600千円、間接経費: 21,780千円)
2020年度: 19,890千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 4,590千円)
2019年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2018年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2017年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2016年度: 23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
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キーワード | スロー地震 / 非線形動力学 / アナログ実験 / 摩擦不安定性 / 非平衡物理 / ソフトマター物理 / 地震 / 摩擦 / ゲル / 粘弾性 / ソフトマター物理学 / レオロジー |
研究成果の概要 |
不均質構造を系統的に制御できるアナログ実験と数理モデルを用いて、「不均質な場が生み出す滑り現象の多様性」という物理的な観点からスロー地震の発生機構に関する理解を深めることができた。特に、様々な不均質構造における滑りの時空発展様式を整理することで、遅い滑りが加速し速い滑りへと遷移する現象の再現や、遅い滑りと速い滑りを分ける定量的条件を解明できた。アナログ試料変形実験では露頭で見られる流動・破壊パターンの再現に成功し、スロー地震に関する地質学的シナリオを力学的観点から裏付けた。地質学的凸凹構造をモデル化したシミュレーションでは、震源移動や巨大地震に対する先行すべりなどスロー地震の特徴を再現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数理モデル化を通じてより一般的な理解も深まった。例えば、一様な系で自発的に出現する遅い滑りのモデル化と観測との比較により、スロー地震には地質学的不均質性が不可欠であることを示すこともできた。また、断層の滑りが生態系の個体数変動と共通の枠組で理解できることも示した。複雑ネットワーク分野の概念を用いた新しい時系列解析手法により、通常の地震もスロー地震もマグニチュード時系列に相関があることが分かった。これらの理解を応用して、木材接合部や靴底など不均質材料の設計にもスロー地震研究の知見が生かせることが分かった。
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