研究領域 | シンギュラリティ生物学 |
研究課題/領域番号 |
18H05413
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小松崎 民樹 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30270549)
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研究分担者 |
中村 篤祥 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (50344487)
小野 峻佑 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (60752269)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
98,280千円 (直接経費: 75,600千円、間接経費: 22,680千円)
2022年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2021年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2020年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2019年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2018年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
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キーワード | 情報計測 / 因果推論 / バンディット手法 / 1細胞ラマン分光イメージング / スパース学習 / 1細胞ラマンイメージング / 機械学習 / 多腕バンディット問題 / 情報理論 / 移動エントロピー / バンディットアルゴリズム / 1細胞ラマン分光 / 1細胞ラマン分光 / 異常検知 |
研究実績の概要 |
(細胞などの)要素間の多体の相互作用を,因果関係を推定する情報理論を改良することで,従来法に比して主従関係をより正しく評価できるとともに,2つの要素の軌跡データだけを用いて分析できることを見出した。従前、ある細胞と別の細胞の主従関係を推定する場合,それら2つの細胞の軌跡データなどを用いて評価されてきた。しかしながら,2つの細胞の振る舞いを決める因子が,その2つの細胞以外にも,第3の細胞が介在する状況なども考えられ,主従関係や因果関係における“原因”と“結果”を解析するためには,単純な対の組み合わせで表現できない多体の相互作用から成り立っている。そのため,多体のあいだの因果関係を推定することは要素間の組み合わせの数が膨大になり,データ科学における難問であった。我々は情報理論において因果関係を推定する移動エントロピーと呼ばれる量を細分化した新しい情報量に着眼し,生物等の集団運動を模倣する数理モデルに基づいてこの問題を考察し,移動エントロピーに含まれる相乗情報量の振る舞いを解析することで,要素間の多体の相互作用が推定できる可能性を示すことに成功した。従来の移動エントロピーよりも,背後の因果関係をより正しく評価が可能となり,シンギュラリティ現象を分析する有力なデータ駆動型手法として期待される。 このほか、がん細胞などのレアなシンギュラリティ細胞をできるだけ少ない数の計測点で、かつ精度を保証したうえで、その存在の有無を同定する計測介入型AI分光計測実現のための強化学習アルゴリズムを新規に開発し、甲状腺濾胞がん細胞の異常検知において、広く用いられているラスタースキャン型のラマン装置に比して 3,333-31,683倍の迅速化を実現することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移動エントロピー分割理論の開発、国際会議での招待講演を行い、令和4年3月までに、ラグランジュ協同構造による細胞流解析、粒子の軌跡から相互作用ポテンシャルを推定、singualrity領域の同定、研究成果とりまとめを行う予定であったが、コロナ禍のため、共同研究の打ち合わせを含めた国際会議の延期など当初予期せぬことが起きたものの、概ね順調に進展しており、Sci Adv2022(オンラインフィーチャー論文にも選出)など発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
時間遅れ増大による固有情報量の単調的現象の原因を明らかにし、固有情報量による実データ応用を実現すべく、粒子画像流速計法等による細胞流解析を行う。
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