研究領域 | 発動分子科学:エネルギー変換が拓く自律的機能の設計 |
研究課題/領域番号 |
18H05420
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
古田 健也 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 主任研究員 (40571831)
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研究分担者 |
古賀 信康 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 准教授 (50432571)
小杉 貴洋 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 助教 (00771388)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
187,330千円 (直接経費: 144,100千円、間接経費: 43,230千円)
2022年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2021年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2020年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2019年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2018年度: 49,010千円 (直接経費: 37,700千円、間接経費: 11,310千円)
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キーワード | 生物分子モーター / DNAナノテクノロジー / タンパク質デザイン / ATP加水分解酵素 |
研究実績の概要 |
新規リニア型分子モーターの開発に関して、Y字型に枝分かれしたDNA ナノチューブの上で、複数の種類のナノメートルサイズの「荷物」を自動的に仕分けたり統合したりするシステムを構築し、対照実験などの実験を追加して論文にまとめ、学術誌に投稿することができた。 ATPに結合する生体発動分子の設計に関しては、これまでに設計したATPのリン酸基に結合する特徴的なモチーフ構造のP-loopモチーフを含むタンパク質について、その性質を詳しく調べつつ、より高活性を持つものを創り出すことを試みた。複合体形成能を有する生体発動分子の設計に関しては、全てαヘリックスからなる人工タンパク質をもとに、凹凸な表面間の噛み合わせを利用して設計した6量体タンパク質について詳しく調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に進展していると評価した理由は以下のような事柄を達成したためである。まず、新規リニア型分子モーターの開発に関して、上記のように、複数種のナノメートルサイズの「荷物」を自動的に仕分けたり統合したりするシステムのプロトタイプを完成させ、論文にまとめることができた。また、ATPに結合する生体発動分子の設計に関しては、設計したタンパク質が、熱安定性が非常に高く100℃以上の変性温度をもつことや、ATP加水分解活性を持つことを明らかにした。複合体形成能を有するタンパク質に関しては、6量体を形成する可能性の高い設計タンパク質が、少し不安定であることが明らかになった。一方で、このタンパク質の結晶構造解析を試みた結果、1.8Åという高い分解能の回折データが得られ、解けた構造はおおよそ設計通りの構造を形成していることが明らかとなった。さらに、2量体、5量体を形成するタンパク質についても同様の方法で設計し、大腸菌を用いて発現・精製し、CDやSEC-MALS測定を行った結果、ほとんどの設計タンパク質がαヘリックス構造を持ち、それぞれ1つずつの設計タンパク質が2量体、5量体の分子量で会合していることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
新規リニア型分子モーターの開発に関しては、今後、より高速なDNAモーターの創出、より安定で高効率なDNAナノ構造体への配置、より複雑で有用な動的構造変化、またその制御を実現するため、分子モーターの合理的・非合理的設計方法の刷新や、DNAナノ構造体への新しい固定・配置方法の模索、DNAを介した動的構造変化のフィードバック制御などの新しい制御方法の検討を行う予定である。 ATPに結合する生体発動分子の設計に関しては、引き続き様々な変異体を作成し、より高活性を持つものを創り出すことを目指す。複合体形成能を有するタンパク質に関しては、2量体、5量体を示した設計タンパク質に関して詳しく調べる。
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