研究領域 | 時間生成学―時を生み出すこころの仕組み |
研究課題/領域番号 |
18H05522
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北澤 茂 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (00251231)
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研究分担者 |
西本 伸志 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (00713455)
貴島 晴彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10332743)
中野 珠実 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (90589201)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
184,080千円 (直接経費: 141,600千円、間接経費: 42,480千円)
2022年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2021年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2020年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2019年度: 34,580千円 (直接経費: 26,600千円、間接経費: 7,980千円)
2018年度: 45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
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キーワード | 時間知覚 / Time's arrow / 楔前部 / 小脳 / 時間順序 / 認知神経科学 / 時間の矢 / 時の流れ / 時間認知 / fMRI / ECoG / 時間の流れ / こころの時間 |
研究成果の概要 |
本研究は、「過去-現在-未来」の時間の流れの意識の神経基盤を探求した。日本語、中国語、英語を母語とする被験者に対し、言語刺激を用いて脳活動を計測した結果、楔前部が「現在感」を喚起する刺激に強く反応することが示された。また、楔前部を抑制すると過去の記憶が障害されることが明らかになった。これに基づき、楔前部の現在情報が海馬に送られ、過去の事象が保存されるモデルを提案した。さらに、時間の流れの方向には右大脳皮質―左小脳ループが関与することが示唆された。これらの研究から、楔前部と海馬のネットワーク、および右大脳と左小脳のループが時間の流れの神経基盤であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
楔前部に現在の座があることを日本語話者だけでなく中国語、英語話者でも示した研究は、言語横断的に時間の神経基盤が共通することを示した点で高い学術的な意義を持つ。また、楔前部の現在の情報が海馬との強力な結合を通じて過去(記憶)生成に用いられるという仮説を静磁場刺激法で検証した研究は、楔前部がアルツハイマー型認知症で最初に障害される領域であることから認知症発症のメカニズムの解明にもつながる学術的・社会的意義を持つ。さらに、時間が「一方向に流れる」、という信念に関して、右大脳皮質と左小脳の予測ネットワークが関与していることを示唆した研究は、誰もが抱く時間の内観の神経基盤を解明した点で高い意義を持つ。
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