研究領域 | 細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 |
研究課題/領域番号 |
19H05672
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚谷 裕一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90260512)
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研究分担者 |
堀口 吾朗 立教大学, 理学部, 教授 (70342847)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
127,530千円 (直接経費: 98,100千円、間接経費: 29,430千円)
2023年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2022年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2021年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2020年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2019年度: 26,650千円 (直接経費: 20,500千円、間接経費: 6,150千円)
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キーワード | 葉 / 発生 / 堅牢性 / 多様化 / 進化 / 細胞 / 輪郭形状 / 数理 / 動的挙動 / 葉原基 / 細胞分裂動態輪 / エボデボ / 数理解析 / 細胞分裂動態 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画の特徴は、(1)発生の初期における細胞分裂活性の加速、また終結段階での減速 という位相の変調に着目する点、(2) 葉原基における細胞分裂の角度調節やその空間的分布の役割についての、過去の長い論争に最終結論を出す点、そして(3)葉の細胞の個々の形状がどれだけ葉原基全体の形状に寄与しているかを解明する点にある。ひいては葉形態の多様性について、細胞の分裂・伸長の挙動の変調という視点から、一貫した解釈を与える筋道をつけ、永らく議論に決着の付いていなかった形態形成上の諸問題に最終回答を与えようとする点である。さらにはその実現のため、予見を排した、ハイスループットなデータ取得の技法開発も進める。
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研究成果の概要 |
上田班との共同研究で、ゼニゴケの精子形成に伴うミトコンドリアの数の制御に関する知見を論文化(Norizuki et al. 2022, Cell Reports)したほか、モノフィレアに関し、オーキシンとサイトカイニンが2枚の子葉のどちらが無限成長性を獲得維持するか左右すること(Kinoshita and Tsukaya 2022)を明らかにした。さらにシロイヌナズナにおいて花弁と葉が相同器官でありながら異なる形状をもつ要因について、細胞分裂領域や分裂角度、数理モデリングを通した解析から、原基における分裂領域の位置が決め手であることを明らかにした(Kinoshita et al. 2022)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
葉が通常の植物では一定のサイズを保つ仕組みを解明する一端として、無限成長できる葉を持つモノフィレアの、その無限成長性の仕組みを研究した。その結果、モノフィレアでは植物ホルモンのオーキシンとサイトカイニンが2枚の子葉の片方が無限成長性を獲得することに大きく関与していることを明らかにできた。さらに葉や花弁の形状がどのように決まるかという疑問に答えるため、シロイヌナズナにおいて花弁と葉の間で、細胞分裂領域や分裂角度、数理モデリングを通した解析を行ない、原基における分裂領域の位置が決め手であることを明らかにした。植物の発生進化の理解にともに重要な成果である。
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