研究領域 | 超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 |
研究課題/領域番号 |
19H05682
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野村 暢彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292520)
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研究分担者 |
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30644827)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
90,740千円 (直接経費: 69,800千円、間接経費: 20,940千円)
2023年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2021年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2020年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2019年度: 23,660千円 (直接経費: 18,200千円、間接経費: 5,460千円)
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キーワード | 複合微生物 / イメージング解析 / 相互作用 / 遺伝子解析 / 微生物間相互作用 / Quorum-sensing / 複合微生物系バイオフィルム / 排水処理 / 細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
新規イメージング解析技術を用いることによって、3 次元構造をとる複合微生物系中の任意の微生物細胞を、空間配置そのままで、培養を介さず各微生物細胞に蛍光指紋をタグ付けを行う。そして、これまで分離・培養できなかった難培養性微生物を識別・分離・解析する技術を構築し、複合微生物系を構成するダークマター微生物(難培養性微生物)を分離可能にするポストコッホ微生物分離システムを開発する。
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研究実績の概要 |
新規イメージング解析技術(CRIF)は、自家蛍光シグネチャーに基づいて細胞の増殖状態や生育条件を高感度に判別できること、細胞の生理状態によって自家蛍光シグネチャーが変化することが明らかになった。本新学術プロジェクトの展開において、複合微生物系における微生物間相互作用をCRIFを用いて、非破壊・未処理でその細胞間の相互作用を理解することが最終目的になる。まず、環境サンプル由来の種々細菌においても1細胞レベルでの分類が可能であることが示された。さらに、複合微生物系の理解において、最も重要になる細菌間相互作用(クオラムセンシング (Quorum sensing、QS)) に着目し、そのシグナル応答をCRIFで非破壊・無処理で1細胞レベルで検知できるかを確認した。その結果、CRIFにより、1細胞レベルでQSの応答を確認出来た。つまり、本成果は、細胞の生理状態を反映する自家蛍光シグネチャーをCRIFを用いることで、非破壊・未処理で環境サンプル由来の細胞集団のQSの活性を1細胞レベルで予測・診断することができると期待される。QSの活性化は病原性発現などにも関係してることから、今後新たな研究手法の一つとしてだけでなく、環境中の細菌診断のみならず医療方面などでの診断さらには細菌制御技術への応用も見込める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本新学術プロジェクトの展開において、複合微生物系における微生物間相互作用をCRIFを用いて、非破壊・未処理でその細胞間の相互作用を理解することが最終目的になる。そこで、微生物間相互作用であるクオラムセンシング (Quorum sensing、QS) に着目する。圃場から作物根圏から微生物を単離し、それらが微生物シグナルAに応答するかをCRIFで解析した。その結果、数種が応答している可能性が得られた。実際に応答しているかを別の実験系で検証したところ、確かにシグナルに応答することが確認出来た。この成果は、1細胞レベルで、単離株がシグナル応答しているかを非破壊でスクリーニング出来ることを示しており、革新的である。
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今後の研究の推進方策 |
本新学術プロジェクトの展開において、複合微生物系における微生物間相互作用をCRIFを用いて、非破壊・未処理でその細胞間の相互作用を理解することが最終目的である。ここまでに、CRIFを用いて、非破壊・無処理による1細胞レベルの分類とさらに細菌間相互作用のクォーラムセンシングの1細胞レベルの応答を環境単離株を用いて検出出来る事が見いだせた。今後は、得られたQS環境単離株は新規な株が含まれているため、ゲノム解析からそのシグナル応答機構を詳細に解析する予定である。
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