研究領域 | 超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 |
研究課題/領域番号 |
19H05686
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野尻 秀昭 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90272468)
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研究分担者 |
新谷 政己 静岡大学, 工学部, 准教授 (20572647)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
135,850千円 (直接経費: 104,500千円、間接経費: 31,350千円)
2023年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2022年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2021年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2020年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2019年度: 34,970千円 (直接経費: 26,900千円、間接経費: 8,070千円)
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キーワード | 微生物間相互作用 / 複合系 / 環境汚染物質 / 分解菌 / プラスミド / 接合伝達 / 細菌 / ドロップレット / ラマン散乱 / 遺伝子の水平伝播 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、環境汚染物質を微生物集団が分解する系をモデルに、集団のメンバーの機能が集団内と単離状態でどう変化するのか実体と機構を解明する。また、微生物機能が周囲の動植物の存在でどう変化するのかを明らかにし、高等生物との未知の相互作用を発見する。これらを通して、複合系ではじめて発揮される、新奇遺伝子機能を発見する。 また、他の計画班で単離された新奇微生物の機能に影響する周囲の微生物を探索し、その相互作用の実体を解明する。 上で得られる情報を他の計画班に供給することで微生物集団内の共起ネットワークが構築されるが、実証試験も行うことで、モデル圃場内のポストコッホ機能生態系モデルの創生に貢献する。
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研究成果の概要 |
環境中で汚染物質分解菌が示す相互作用を解析するために、隔離培養法や一細胞取り扱い技術を応用したポストコッホ技術を開発した。それらを用いることで、多様な分解菌群を簡単に取得することができ、機能に影響する相互作用も容易に検出できた。また、開発した方法を領域内で単離された重要細菌と他の細菌間の相互作用の検出に応用した。 一方、モデル圃場等から多種多数のプラスミドを取得した。それらの塩基配列を決定すると共に、基本機能(接合受容菌域や宿主域等)を解明して分類を行うことで、モデル圃場等の環境中でのプラスミド動態を考察した。また、受容菌域の予測手法の開発や高精度プラスミドデータベースの整備も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境中での微生物間相互作用は、従来の方法論では偶然見つかる場合がほとんどで、全貌解明にはほど遠いのが実情であった。本研究は、相互作用を簡単に探せる系を開発し、それらが環境汚染物質分解菌等の相互作用検出に有用なことを実証したもので、他の分野にも応用可能な重要な方法論を提供するものである。また、環境中での遺伝子水平伝播の実態を生態学的に捉えた例は少ないが、本研究ではモデル圃場内でのプラスミド動態を高精細に明らかにした。この成果は、環境細菌の機能的進化といった基礎的観点のみならず、薬剤耐性能の蔓延などの社会問題を解決する上でも重要と言え、環境微生物学・生態学分野で先導的な成果をあげたと言える。
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