研究領域 | 超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 |
研究課題/領域番号 |
19H05687
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高谷 直樹 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50282322)
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研究分担者 |
小林 達彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70221976)
大津 厳生 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60395655)
林 久喜 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70251022)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
176,800千円 (直接経費: 136,000千円、間接経費: 40,800千円)
2023年度: 33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
2022年度: 33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
2021年度: 33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
2020年度: 33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
2019年度: 42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
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キーワード | 微生物機能 / 圃場 / 微生物 / オミクス |
研究開始時の研究の概要 |
微生物の種と生理機能に基づいて生態系を理解する世界初のポストコッホ機能生態系のモデルを提唱するために、長期安定して運用されている特定のモデル圃場(畑作施肥試験圃)を設定し、その環境情報(土壌等情報)と基本となる微生物情報(各種オミクス情報)を集積する。本計画研究は、これらを領域内で共有するプラットフォームを創成する。また、圃場生態系微生物の新たな種と機能の解明も行う計画である。
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研究実績の概要 |
微生物の種と生理機能に基づいて生態系を理解する世界初のポストコッホ機能生態系のモデルを提唱するために、長期安定して運用されている特定のモデル圃場(畑作施肥試験圃)を設定し、その環境情報(土壌等情報)と基本となる微生物情報(各種オミクス情報)を集積することも目指して研究を行った。具体的には、本計画研究では、これらを領域内で共有するプラットフォームのもととなるデータの蓄積を進めている。 ポストコッホ機能生態系のモデルを提唱するためには、特定のモデル圃場の環境コンテキストと基本となる微生物メタ情報を集積することが重要である。そこで、総括班とともに筑波大学内に設定したモデル圃場において、コムギ、ソバ(2期目)、青刈りライ麦の作付を行った。ここから土壌試料を採取し微生物叢と土壌化学成分の解析を行った。また、作物情報や気象情報等の環境コンテキスト情報を取得・整理した。2019年のソバ作付け時のバイオインフォマティクス解析を行い、施肥条件による微生物叢変化の発見についての論文を投稿した。また、多様な微生物の機能を一つでも多く解明する領域の目標に従い、特に未解明なヘテロ環化合物の代謝微生物の分離・培養、それらの分解酵素・遺伝子・分解機構の多様性の解明を進めた。具体的には、植物に由来するビタミンと特殊な配糖体を代謝する微生物を発見し、代謝の鍵となる酵素と遺伝子の単離と機能解明を行った。さらに、計画班A01-1と共に新たなマイクロ培養デバイスを作成し、一細胞隔離培養、レプリカ作成の技術を構築した。これは、本領域による生態系微生物の新たな種と機能の解明に大きく貢献するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル圃場の生態系データについては、計画通りに取得できている。総括班の協力を得て、班員への提供も進められた。生態系データの情報解析についても昨年度までの遅れを取り戻し、論文投稿に至った。微生物機能の解明については、当該代謝を担う微生物の分離と培養特性の解析、責任酵素遺伝子の発見に至った。またこの成果の一部を論文公表できた。
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今後の研究の推進方策 |
本計画研究は、領域期間を通してモデル圃場の微生物叢、土壌化学分析、気象データ、作物情報などを取得することが最大の達成課題であるので、これを継続する。4年8輪作の作付け計画に従って、異なる作物と施肥条件の下で作付けされる圃場のデータを獲得する計画である。計画通り、青刈りライ麦(越年度)と落花生の圃場のデータを取得する。蓄積するデータを用いた情報学的解析を次年度以降に行う。 圃場の微生物と微生物機能の解明にも取り組む。具体的には、上述のビタミンや配糖体の微生物代謝の分子機構の解明を継続するとともに、これら微生物の圃場生態における生態学的意義についても検討を進める。新たに作成したマイクロ培養デバイスについては、適応培地、微生物種、培養方法の検証を行い、従来の寒天培地の1000倍のパフォーマンスを目指したハイスループット培養系の構築を行う。
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