研究領域 | 変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot |
研究課題/領域番号 |
19H05700
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 英太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60360749)
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研究分担者 |
川合 義美 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), グループリーダー代理 (40374897)
細田 滋毅 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), グループリーダー (60399582)
須賀 利雄 東北大学, 理学研究科, 教授 (70211977)
小橋 史明 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80377077)
遠山 勝也 気象庁気象研究所, 気候・環境研究部, 主任研究官 (80772483)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
212,290千円 (直接経費: 163,300千円、間接経費: 48,990千円)
2023年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2022年度: 19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2021年度: 27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
2020年度: 32,240千円 (直接経費: 24,800千円、間接経費: 7,440千円)
2019年度: 117,520千円 (直接経費: 90,400千円、間接経費: 27,120千円)
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キーワード | 黒潮続流域 / モード水 / 大気海洋相互作用 / 生物地球化学 / 海洋観測 / 亜熱帯モード水 / 黒潮・黒潮続流 / ハイブリッド観測 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の南~南東を流れる黒潮・黒潮続流の周辺海域では、冬季に深い鉛直対流が起こり、春以降大量の水が、水温・塩分などの気候変動シグナルや二酸化炭素などの物質とともに、海洋の表面から内部へと沈み込む。この沈み込んだ水「亜熱帯モード水」がその後どのように移動・変質し、さらにはどのように海面に再出現し、そこでの大気や化学生物環境にどのような影響を与えるのかを、自働観測ロボットや船舶を使った物理・化学観測により解明する。
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研究実績の概要 |
酸素・pHセンサー付プロファイリング・フロート13台のうち、9台を2021年2月に投入していたが、さらに4月に1台、6月に2台を投入した。COVID-19の流行拡大のため1年遅れとなったが、これでようやく亜熱帯モード水(STMW)分布域に12台が展開され、2年間のフロート観測を開始した。(残り1台は投入直前に不具合が発見され、延期となった)。投入した12台のうち1台は最初から観測データがおかしく不良と判定されたが、残り11台は5日毎の観測を順調に続けている。フロートの酸素・pHデータについて、投入時の船舶観測データを利用した品質管理手法の検討を進めた。また、品質管理データを用いた、STMW循環ならびに海洋表層生物地球化学過程に関する予備的解析を行った。 2017年夏に始まり4年以上継続している黒潮大蛇行がSTMWの形成と分布に及ぼす影響、また大蛇行から西向きに分岐して遠州灘沖に暖水をもたらす流れの構造と大気への影響を明らかにするために、2021年5月にポスドクの西川はつみを主席研究員として、新青丸KS-21-9航海を実施し、大気・海洋観測を行った。また、2021年7~9月に本州南方でグライダーによる時系列観測を実施し、台風に対する海洋表層の応答、ならびに四国沖再循環におけるSTMWの構造を調査した。 これらの観測と並行して、既存のデータやモデル結果を用いた研究を進めた。Kobashi et al. (in prep.)は再解析データFORA-WNP30を用いて、STMW厚の十年規模変動が混合層に及ぼす影響を調べ、STMWが厚いほど混合層が浅く、冷たくなることを見出した。Ono et al. (in prep.)は気象庁137度線データを用いて、STMW厚が表層生物地球化学過程に及ぼす影響を調べ、STMWの厚い時期には海面における全炭酸濃度と栄養塩濃度が高くなることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の流行拡大のために、2020年度頭に予定していたフロートの投入・展開が1年程度遅れたが、2020年度末から2021年度頭にかけてほぼ投入することができた。投入後のフロート稼働状況は極めて良好で、これまでに約1年の貴重な時系列データを取得することができた。また、フロート観測が遅れた分、他の既存データの解析に注力したほか、当初の予定にない新青丸航海を実施するなどし、成果を挙げることができている。
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今後の研究の推進方策 |
フロートから得られたデータの品質管理手法の開発を進め、品質管理済みデータを用いた時系列観測研究を速やかに進められるよう、班の中での連携を一層強化する。
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