研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
19H05707
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 (2021-2023) 公益財団法人微生物化学研究会 (2019-2020) |
研究代表者 |
野田 展生 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40396297)
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研究分担者 |
福田 善之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (60571099)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
139,490千円 (直接経費: 107,300千円、間接経費: 32,190千円)
2023年度: 27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
2022年度: 27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
2021年度: 27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
2020年度: 27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
2019年度: 30,810千円 (直接経費: 23,700千円、間接経費: 7,110千円)
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キーワード | オートファジー / 構造生物学 / クライオ電子顕微鏡 / X線結晶構造解析 / 高速AFM |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではX線結晶解析法、クライオ電子顕微鏡法、高速原子間力顕微鏡法、核磁気共鳴法などの構造生物学的手法を駆使して、オートファジーシステムを構成するタンパク質群の構造決定を行なう。そして構造情報に基づいた機能解析を行ない、各タンパク質が担う分子機能およびその作動原理を明らかにすることで、オートファジーにおける未解決課題の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
小胞体選択的オートファジーにおいて受容体として機能するTEX264が複数個所リン酸化されること、これらのリン酸化により哺乳類ATG8であるGABARAPおよびLC3との親和性が劇的に上昇することを見出した。さらにリン酸化TEX264とGABARAPとの複合体の結晶構造を決定し、TEX264のSer271に導入されたリン酸基がGABARAPと計3本の水素結合を形成することで親和性の向上に中心的役割を担うこと、この残基のリン酸化が小胞体選択的オートファジーに必須であることを明らかにした。 オートファジー特異的阻害剤の開発は基礎研究と医学応用の両方の観点から重要である。ATG5-ATG16L1複合体の構造情報に基づき、ATG16L1のATG5結合領域をミミックしたステープル化ペプチドを設計し、ATG5阻害剤としての開発を進めた。ステープル化ペプチドとATG5の複合体の結晶構造を決定するとともに、ITCで親和性を決定し、ペプチド配列の最適化を進めることで、数nMのKd値のペプチドの開発に成功した。培養細胞を用いた解析で膜透過能およびオートファジー阻害活性があることを確認した。 哺乳類は6種類のATG8ホモログが存在するが、その機能分担はそれらを見分けるツールの欠如によりこれまであまり調べられてこなかった。そこで各ホモログとその結合配列の結晶構造解析を行うことで、ホモログ選択性を決める結合配列の法則を明らかにし、それをATG8解析ツールの作成に応用した。 オートファゴソーム形成機構を理解するためには、実際にオートファジーが進行している細胞における膜形態を詳細に明らかにすることが重要である。Cryo-FIB-SEMを用いた急速凍結生物試料ラメラ作製法を活用し、酵母における形成途中のオートファゴソームと小胞体の接触部位のクライオ電子顕微鏡像を取得することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
酵母における主要オートファジー因子の構造解析はほぼ完了しており、構造情報に基づいた機能解析も順調に進んでいる。選択的オートファジーに関与する受容体や新規制御因子の構造解析も順調に進んでおり、オートファジーシステムの構造基盤の確立が着々と進んでいる。構造情報に基づいたオートファジー特異的阻害剤やオートファジー解析ツールの作成も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
哺乳類オートファジー始動複合体の構造基盤の解明を進める。様々な選択的オートファジー受容体、特にマイトファジー受容体の構造研究を進める。新規オートファジー制御因子群の構造解析を進める。昨年に引き続き細胞内における隔離膜の構造解析を進める。
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