研究領域 | 身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H05723
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊佐 正 京都大学, 医学研究科, 教授 (20212805)
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研究分担者 |
内藤 栄一 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (10283293)
浅田 稔 大阪大学, 先導的学際研究機構, 特任教授 (60151031)
中野 英樹 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (60605559)
相澤 秀紀 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (80391837)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
197,990千円 (直接経費: 152,300千円、間接経費: 45,690千円)
2023年度: 37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
2022年度: 37,960千円 (直接経費: 29,200千円、間接経費: 8,760千円)
2021年度: 37,960千円 (直接経費: 29,200千円、間接経費: 8,760千円)
2020年度: 37,960千円 (直接経費: 29,200千円、間接経費: 8,760千円)
2019年度: 46,280千円 (直接経費: 35,600千円、間接経費: 10,680千円)
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キーワード | 機能回復 / 脱抑制 / fMRI / モノアミン / 高齢者 / 霊長類 / fMRI / 運動野 / 半球間抑制 / 脊髄損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模脳領域での脱抑制が生体構造の再構成による超適応機構の基盤であるという仮説を検証する。研究代表者伊佐は、脊髄損傷サルにおける脳活動などの縦断的記録により、大規模脳領域で起こる脱抑制のメカニズムを解明する。分担研究者相澤はその脱抑制の基盤と想定されるモノアミン汎性修飾系の関与を検証する。研究分担者内藤は、高齢者および若年成人の安静時および運動中の脳活動を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で計測し、機能回復と脱抑制回路の操作に伴う皮質脳波の変化と高齢者における安静時の全脳機能結合の特徴との類似点について、B01班と連携してマルチモーダル解析による解釈性のある統合モデルを構築して明らかにする。
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研究実績の概要 |
A01班では,主に超適応機構の「生体構造の再構成」の観点から,大規模脳領域での脱抑制が生体構造の再構成による超適応機構の基盤であるという仮説を,班員それぞれの研究を融合・発展させて検証することを目指している.伊佐のグループのニホンザルを用いて,頚髄 C4/C5 亜半切後の手指の運動機能の回復過程を調べ、損傷前は抑制性であった損傷同側の運動前野から 損傷反対側の一次運動野へ半球間経路が,損傷後は促通に変化することを明らかにした。本年度は,半球間経路を対象として,統計的因果探索手法であるLinear non-Gaussian acyclic model(LiNGAM)を適用し,損傷前後における脳内における興奮性結合のネットワークと抑制性結合のネットワークを調査したところ、α帯域での損傷同側の運動前野から損傷反対側の一次運動野へ半球間結合において,興奮性結合はどの回復時期でも同じような結合強度であった.一方,抑制性結合において,回復早期と後期の結合強度は損傷前に比べると有意に低くなった.これらの結果から,脊髄損傷後の回復過程で,抑制性結合の強度を低くすることで,脱抑制が生じたことが示された.研究分担者内藤と浅田は,機能的MRIを用いて,車椅子レーストップパラリンピアンの脳でみられる超適応現象の解明を行った.通常手の運動中には運動野足領域の抑制がみられるが,この選手では手運動中に足領域の活性化がみられるという超適応現象を突き止めた.研究分担者相澤は,超適応時の大脳皮質における半球間抑制と脱抑制の神経機構を調べるため,光遺伝学と電気生理学を組み合わせたマウス実験を行なった。脳梗塞モデルマウスにおいて,交連線維の光遺伝学的刺激に対する応答を調べたところ,前肢使用の側性化に伴って障害側運動野における抑制成分の減弱が次第に出現することを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グループは連携し、ヒトとサルとマウスを用いて、脳卒中や脊髄損傷、さらに高齢者において両側大脳半球間の結合について多角的に研究を行ってきた。その結果、起きている脱抑制とそのメカニズムの解明について、統合的理解が大きく進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に向けて、それぞれの研究をまとめて論文発表するとともに、マウスで得られた結果をサルで検証する実験も行う。そして脳・脊髄障害と加齢による運動機能低下と脱抑制、そしてそのメカニズムについての英文総説の執筆を検討している。
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