研究領域 | 出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
19H05732
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 放送大学 (2020-2023) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
鶴見 英成 放送大学, 教養学部, 准教授 (00529068)
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研究分担者 |
北條 芳隆 東海大学, 文学部, 教授 (10243693)
関口 和寛 国立天文台, 研究力強化戦略室, 名誉教授 (20280563)
光本 順 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (30325071)
後藤 明 南山大学, 人類学研究所, 研究員 (40205589)
杉山 三郎 岡山大学, 文明動態学研究所, 特任教授 (40315867)
野嶋 洋子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, アジア太平洋無形文化遺産研究センター, 室長 (50586344)
山本 睦 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (50648657)
笹生 衛 國學院大學, 神道文化学部, 教授 (60570471)
山口 徹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (90306887)
片岡 修 上智大学, アジア人材養成研究センター, 客員教授 (90269811)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
277,420千円 (直接経費: 213,400千円、間接経費: 64,020千円)
2023年度: 39,260千円 (直接経費: 30,200千円、間接経費: 9,060千円)
2022年度: 52,260千円 (直接経費: 40,200千円、間接経費: 12,060千円)
2021年度: 55,640千円 (直接経費: 42,800千円、間接経費: 12,840千円)
2020年度: 64,870千円 (直接経費: 49,900千円、間接経費: 14,970千円)
2019年度: 65,390千円 (直接経費: 50,300千円、間接経費: 15,090千円)
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キーワード | モニュメント / メソアメリカ / アンデス / 古墳 / オセアニア / LiDAR / 天体シミュレーション / 景観 / 認知天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
ユーラシア大陸を離れ、南北アメリカ大陸・日本・オセアニアなどに渡ったヒトは、どのように自然環境や時間の流れを認知し、特有のニッチ(生態的地位)を構築したのか。その特性を解明するべく、人工的環境を大きく規定するモニュメントの形成について研究する。神殿・都市・墳墓などを現地調査してデータを収集し、文献調査を加え、さらに人為の及ばない天体の運行を視野に入れ、人工的環境を総合的に検討する。
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研究実績の概要 |
杉山は21年度に北米メソアメリカのメキシコ渡航を果たし、ドローンとハンドヘルドの2種類のLiDAR計測、および写真測量とスキャナー計測を併用し、モンテ・アルバン遺跡の建造物群や石彫やトンネル、テオティワカン遺跡の住居複合体などの測量を進めた。測量作業は22年度6月まで継続し、その後はデータ処理・解析と踏査・表面最終調査を予定している。南米アンデスではペルー北部にて、鶴見がヘケテペケ川流域、山本がワンカバンバ川流域の祭祀センターの石造建造物群の発掘調査と一帯の測量を実施する予定であった。しかし両名とも渡航できなかったため現地協力者に要請し、航空古写真から3Dモデルを作成して開発前の地形の復元を試み、またRTK-GNSS測量とドローン空撮による測量を進めることとした。 日本での研究は比較的順調に進展した。北條は、関口らとベータ版まで開発を進めた天体シミュレーションソフト arcAstro-VRを用い、佐賀県吉野ヶ里遺跡の現地調査成果とあわせて、天体運行を再現した。また地中レーダー探査の方法と有効性を検証しつつ、各地の遺跡・古墳にて地下探査を実施した。笹生は「遺体・人骨」「式内社(国史見在社)」「祭祀遺跡」の3データベースの作成の目的に対応した入力項目を確認して入力を進め、あわせてそこに加える地形図、遺跡・遺構図の作成・収集を行った。光本は岡山県で自然地形を含む古墳群の広域景観全体のLiDAR測量を重ねてきたが、21年度は赤磐市鳥取上高塚古墳を新たに測量した。オセアニアでは、後藤らによるミクロネシア連邦ポーンペイ島、野嶋によるバヌアツ共和国ウレパラパラ島、山口によるクック諸島プカプカ環礁、いずれにおいても現地調査が実施できなかったが、それぞれ民族誌資料や文献資料の検討、年代測定や衛星画像の解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
21年度の活動は、懸案となっていた海外調査のうちメソアメリカでの活動を実行に移すことができた。日本国内における研究は、野外調査、データベース作成、天体シミュレーションソフトの開発と運用など、順調に進めることができた。アンデスとオセアニアでは、現地協力者との連携や、既存の資料の再検討による新たな調査を進めつつ、次年度の現地調査の準備を進めており、全体として大きな遅れは生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
メソアメリカと日本国内での調査は引き続き行う。22年度はアンデスとオセアニアにおいても、現地調査を実施する予定である。時間を短縮しつつ十分な成果を上げるべく、従来の計画を見直して、輸出や運用管理において課題の多いドローンにかわってハンディ式のLiDAR測量を検討する、既存の海外の調査者と連携するなど、現実的な調整を進めている。
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