研究領域 | 出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
19H05733
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 直子 岡山大学, 文明動態学研究所, 教授 (30314660)
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研究分担者 |
桑原 牧子 金城学院大学, 文学部, 教授 (20454332)
工藤 雄一郎 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (30456636)
佐藤 悦夫 富山国際大学, 現代社会学部, 教授 (40235320)
石村 智 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 部長 (60435906)
中園 聡 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (90243865)
上野 祥史 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90332121)
松本 雄一 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 准教授 (90644550)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
142,870千円 (直接経費: 109,900千円、間接経費: 32,970千円)
2023年度: 23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
2022年度: 24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
2021年度: 23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
2020年度: 27,950千円 (直接経費: 21,500千円、間接経費: 6,450千円)
2019年度: 43,030千円 (直接経費: 33,100千円、間接経費: 9,930千円)
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キーワード | 認知考古学 / 物質文化 / 土器 / 土偶 / 製作技術 / 三次元モデル / 身体技法 / アート(技術/芸術) / 三次元計測(3D計測) / モノのヒト化/ヒトのモノ化 / 文明動態 / 定量的比較分析 / 比較考古学 / アート(技術/芸術) / 三次元計測(3D計測) |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが生み出す物質文化には、身体機能の拡張を果たす技術と、感性や価値観にうったえてヒトの心を動かす芸術という二つの側面がある。本計画研究では、「アート」として包括されるその両面が身体を介して統合される様相に焦点を当て、日本列島、メソアメリカ、アンデス、オセアニアにおけるアートの生成と変容の特性を比較検討する。アート(技術・芸術)によるヒトの人工化/環境のヒト化という現象を、考古学的・人類学的・心理学的に分析することにより、社会固有のリアリティ(行動の基準となる主観的事実)が形成される歴史的プロセスを解明し、新たな人間観・文化観を提示することを目的とする。
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研究成果の概要 |
日本列島、メソアメリカ、アンデス、オセアニア地域という相互に独立して展開した文明形成のプロセスについて、技術/アートが果たした役割という視点から多角的な研究を実施し、多くの重要な学術的知見を得ることができた。文明創出に関わるヒトの認知的特性や、固有の環境や歴史的コンテキストにおいて多様性が発現する様相についても理解を深めた。身体を介したモノと心の相互浸潤というモデルを共有することで、視覚に加えて聴覚や触覚、身体感覚という視点からもモノとヒトの相互関係について分析し、時間や空間に関する認知や世界観・人間観が変容するメカニズムに迫ることができることを示し、方法論的にも、新しい研究の可能性を広げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文明創出メカニズムの根幹にあるヒトがモノを作り、モノがヒトを作るという関係について、またアート/技術の変化と自然環境との密接な関係とそこから生じる象徴的意味について、考古学的データに基づく研究を推進することができた。その基本的な関係性は普遍的でありながら、具体的な人間観・世界観の内容はこの数万年間で大きく変化した可能性を示すことができたことは、人類史の新しい解釈を可能にする点で、大きな学術的意義を持つ。また、人間観を根本的に問い直す視座を得たことは、重要な社会的意義をもつ。
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