研究領域 | 出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
19H05738
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
中尾 央 南山大学, 人文学部, 准教授 (20720824)
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研究分担者 |
野下 浩司 九州大学, 理学研究院, 助教 (10758494)
金田 明大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20290934)
田村 光平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (60725274)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
70,070千円 (直接経費: 53,900千円、間接経費: 16,170千円)
2023年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2022年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2021年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2020年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2019年度: 19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
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キーワード | 三次元計測 / 数理解析 / データベース構築 / 三次元データ / 土器 / 人骨 / 弥生時代 / 甕棺 / 遠賀川式土器 / 考古・人類データの統計解析 / 理論モデル構築 |
研究開始時の研究の概要 |
本領域が対象とする出ユーラシア地域のモニュメント,遺物,民族誌データ、認知的データ、自然人類学的データ等を空間的・時間的位置を基準とするフレームワークに位置づけて相互参照・検索可能な形とする.SfM・三次元スキャナーやLiDAR 測量など三次元計測によって取得されたデータともリンクすることで,楕円フーリエ解析などの幾何学的形態測定の手法を用いた定量的な解析・比較を行う.また総括班との密接な連携の下,異分野統合のハブとしての役割を果たし,領域全体の一貫性・統合性を確実なものとする.
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研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き,弥生時代前期の遠賀川式土器に関する三次元データの収集だけでなく,縄文から古墳時代までの古人骨についても三次元データの収集を開始した.まずは富山県の小竹貝塚や山口県の土井ヶ浜遺跡で出土した古人骨の三次元データを収集し,土器と同様,効率的な計測手法を探りつつ,レーザースキャナーとカメラによるSfM/MVSで計測されたデータに違いがないかどうかを確認しながら,三次元データの収集を開始していった.特に京都大学理学部・総合博物館所蔵の古人骨データを百数体分計測し,また国立科学博物館所蔵の古人骨についても計測をさせて頂いた.これらのデータについては幾何学的形態測定(特にランドマーク法)によって解析を進めつつある. また,弥生時代北部九州における戦争の原因についても考察を進めた.甕棺の出土数および人骨,殺傷人骨の出土数,耕作可能面積などから当時の暴力頻度と人口圧を推定し,人口圧の高まりが暴力頻度の増加と関連している点を指摘した論文を発表した. 遠賀川式土器の三次元データについても解析を進め,二次元データの解析結果と比較を行った.この比較により,二次元データ(すなわち実測図)に関する楕円フーリエ解析の結果と三次元データの解析結果がそこまで大きく変わらないことを確認し,土器の実測図に関する解析からでもある程度重要な知見が得られうることを示す事ができた. 上記成果については数本の論文・発表として成果発表を行う事ができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
土器だけでなく,古人骨についても三次元データの収集と解析に着手することができたため.
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今後の研究の推進方策 |
土器三次元データに関しては最終的な解析結果を論文にまとめるとともに,古人骨データの収集をより一層進め,日本先史時代における集団移動に関してある程度まとまった成果を出版する予定である.
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