研究領域 | 機能コアの材料科学 |
研究課題/領域番号 |
19H05786
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松永 克志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20334310)
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研究分担者 |
吉矢 真人 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00399601)
中村 篤智 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (20419675)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
207,610千円 (直接経費: 159,700千円、間接経費: 47,910千円)
2023年度: 28,860千円 (直接経費: 22,200千円、間接経費: 6,660千円)
2022年度: 41,080千円 (直接経費: 31,600千円、間接経費: 9,480千円)
2021年度: 42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2020年度: 44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2019年度: 50,440千円 (直接経費: 38,800千円、間接経費: 11,640千円)
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キーワード | 転位 / 粒界 / 電子構造 / 第一原理計算 / 電子伝導 / 熱伝導 / 結晶構造 |
研究開始時の研究の概要 |
材料中の結晶欠陥はバルクと異なる原子配列に基づき特異な量子場を形成する。こうした量子場は、材料の各種特性に大きく影響するとともに、多量の希少元素を要することなく新規な機能を発現させるため、その系統的理解が重要な研究課題となっている。そこで本計画研究では、代表的な結晶欠陥である「転位」を主対象として、転位の機能発現の源となる量子場を「転位機能コア」と位置づけ、それと材料機能の相関を解明することで、「機能コアのモデリング」を達成する。
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研究成果の概要 |
転位により発現する新奇な機能が注目されている。その一方で、そのような機能の発現メカニズムは多くが未解明であった。そこで本研究では、実験と理論の両面から転位による機能発現メカニズムを解明することを目的として研究を実施した。まず、第一原理計算を利用してキャリアにより転位で生じる現象の系統的調査を行い、転位とキャリアの相互作用を解明した。また、得られた結果をモデル実験と併せて比較し解析することで、キャリアが転位のすべり運動に大きく作用することを見出した。さらには、転位に由来する熱伝導特性変化の理論的解析を行うことにより、転位組織を通して材料の熱伝導性を制御可能であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、転位による材料機能発現のメカニズムを系統的に検討した結果、転位と光や熱、電子との相互作用について、これまでに無い、より体系的な理解が得られ、転位による機能発現メカニズムを説明することが可能となった。また、この研究成果に伴い、転位による従来にない発光特性の発現を発見した。これにより、転位を用いた材料開発が世界的にも注目される研究分野へと成長した。さらには、転位組織を作り込むことで材料の熱伝導性を制御する指針も得られた。このように、材料機能を悪くすると考えられていた転位を、逆転の発想で積極的に利用した材料機能の開発を現実にした点は本研究の大きな意義と言える。
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