研究領域 | 機能コアの材料科学 |
研究課題/領域番号 |
19H05791
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 裕道 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80372530)
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研究分担者 |
寺崎 一郎 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30227508)
齊藤 圭司 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90312983)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
129,610千円 (直接経費: 99,700千円、間接経費: 29,910千円)
2023年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 30,810千円 (直接経費: 23,700千円、間接経費: 7,110千円)
2021年度: 23,530千円 (直接経費: 18,100千円、間接経費: 5,430千円)
2020年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
2019年度: 38,870千円 (直接経費: 29,900千円、間接経費: 8,970千円)
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キーワード | 界面制御 / 熱輸送特性 / 電子輸送特性 |
研究開始時の研究の概要 |
物質の原子スケールにおける熱伝導や電子伝導を可視化することができれば、新しい材料やデバイス開発に繋がります。本研究では、目に見える大きさのものとは全く異なる熱輸送特性や電子輸送特性を示す原子スケールの特殊な界面を「機能コア」と位置づけ、超精密な薄膜・デバイス作製技術を駆使して機能コアを導入したモデル材料を作製し、相界面における熱輸送特性や電子輸送特性を調査し、巨大機能の発現とその制御を目指します。
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研究実績の概要 |
物質の原子スケールにおける熱伝導や電子伝導を可視化することができれば、新しい材料やデバイス開発に繋がる。本研究では、目に見える大きさのものとは全く異なる熱輸送特性や電子輸送特性を示す原子スケールの特殊な界面を「機能コア」と位置づけ、超精密な薄膜・デバイス作製技術を駆使して機能コアを導入したモデル材料を作製し、相界面における熱輸送特性や電子輸送特性を調査し、巨大機能の発現とその制御を目指している。太田Gr.では、遷移金属酸化物エピタキシャル薄膜の熱伝導率を計測した。各種薄膜およびデバイスの機能コアの可視化については、A01(ア)(イ)班、A02(ウ)(エ)班、必要時に随時海外共同研究者に分析・解析を依頼した。寺崎Gr.では、機能性熱伝導物質を設計し、単結晶育成を行った。齊藤Gr.では、太田Gr.で得られた熱伝導率の結果を踏まえて機能コアの界面熱抵抗のモデル化を行った。また、太田Gr.では下記の研究成果に関してプレス発表を行った(2021年11月19日)。高温超伝導体として知られるYBCOの導電性は、絶縁体から超伝導体まで、酸素含有量によって大きく変化することが知られている。近年、絶縁体と超伝導体を切替える方法として、電気的に酸素含有量を調節する方法が提案されたが、電解液を用いることから、液漏れしないよう素子を密閉しなければならないという応用上の問題があった。本研究では、空気中で、固体電解質を利用して電気的に酸素含有量を変化させた結果、絶縁体から高温超伝導体まで、繰り返し切り替えることに成功した。電解液を使わないことから、液体が漏れる心配もなく、真に応用に適した方法である。この技術は将来、全固体熱トランジスタへの応用も期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年3月から本格化した新型コロナウィルス感染症の影響で、国内外の学会はほぼオンライン発表であったため、様々な研究分野の研究者と議論する機会が減ってしまったが、研究成果は着実に出ており、論文発表も問題なくできている。(2021年度はグループ全体で21報の論文を発表)
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今後の研究の推進方策 |
太田Gr.では、引き続き各種遷移金属酸化物薄膜の熱伝導率計測を行うとともに、遷移金属酸化物薄膜を活性層とする熱トランジスタを作製し、電気化学酸化還元前後の熱伝導率を計測する。各種薄膜およびデバイスの機能コアの可視化については、A01(ア)(イ)班、A02(ウ)(エ)班、必要時に随時海外共同研究者に分析・解析を依頼する。寺崎Gr.では、引き続き機能性熱伝導物質の設計と、その単結晶育成を行う。各種単結晶を育成した後、随時外場印加中の熱伝導率の精密測定を行う。得られた結果については解析的・数値的に検討し、物質組成の精密チューニングへとフィードバックする。齊藤Gr.では、引き続き太田Gr.で得られた熱伝導率の結果を踏まえて機能コアの界面熱抵抗のモデル化を随時行うとともに、界面熱抵抗のシミュレーションを行い、結果を太田Gr.にフィードバックする。具体的には、実験の設定に基づき定性的定量的な理論解析を行う。
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