研究領域 | 情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 |
研究課題/領域番号 |
19H05798
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
青木 一洋 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 教授 (80511427)
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研究分担者 |
松岡 里実 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (00569733)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
161,720千円 (直接経費: 124,400千円、間接経費: 37,320千円)
2023年度: 30,940千円 (直接経費: 23,800千円、間接経費: 7,140千円)
2022年度: 32,500千円 (直接経費: 25,000千円、間接経費: 7,500千円)
2021年度: 29,510千円 (直接経費: 22,700千円、間接経費: 6,810千円)
2020年度: 32,760千円 (直接経費: 25,200千円、間接経費: 7,560千円)
2019年度: 36,010千円 (直接経費: 27,700千円、間接経費: 8,310千円)
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キーワード | 情報理論 / 細胞内情報伝達 / FRETイメージング / 1分子イメージング / EGF / EGFR / ERK / 情報量 / 1分子イメージング / FRET |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「真核生物の細胞内情報伝達系の情報処理特性を明らかにする」ことを目的とする。「リガンド-受容体-細胞内情報伝達系における情報の流れの特徴化と定量化」、「多様なリガンドの細胞内情報伝達系による符号化原理」、「細胞内情報伝達系の不均一性と細胞機能の情報の物理学」の3つの具体的な課題を通じて、分子から細胞までの階層における「細胞内情報伝達系の情報の物理学」の展開を目指す。情報処理のコストと限界を明らかにし、細胞内情報伝達系の設計原理といった既存の研究を超える根源的かつ生物学的にも重要な問いに挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究のテーマは真核生物の細胞内情報伝達系の情報処理特性である。真核生物の細胞内情報伝達系について、情報伝達分子や反応のネットワークの全体像が明らかになりつつある。一方で、既存の研究のフレームワークでは理解できない細胞内情報伝達系の問題も数多く残されており、情報・通信の分野で研究されてきた情報理論を用いたアプローチによる解決が期待されてきた。本研究では、分子から細胞にわたる情報処理特性を情報という視点から解析することで、既存の生物学にはない情報量という物理量を定量化する。このような独自のアプローチにより、情報伝達系の設計原理を明らかにする。 本年度は、(1)リガンド-受容体-細胞内情報伝達系における情報の流れの特徴化と定量化と、(2)多様なリガンドの細胞内情報伝達系による符号化原理、の2つのテーマに関しては解析を進めた。(1)に関しては、リガンドとしてEGF、受容体としてEGFRの間に流れる情報量の定量化を1分子イメージングで行うための実験系の構築を行った。また、確率的なERK活性化ダイナミクスにおける情報幾何解析を行い、ERK活性化の熱力学的な考察を行った。これに関しては、B01班と共同で論文を執筆、投稿中である。(2)に関しては、GPCRの下流シグナルであるcAMP, Ca, ERK, RhoAの時系列を効率よく定量化する実験系を樹立した。現在、70種類ものGPCRをリガンド刺激したときの下流シグナルを定量化し、解析を行っている。さらに、ドーパミン状態とセロトニン受容体のシグナル伝達に注目した解析結果をまとめて論文投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)リガンド-受容体-細胞内情報伝達系における情報の流れの特徴化と定量化と、(2)多様なリガンドの細胞内情報伝達系による符号化原理、の2つのテーマを本年度は進めたが、いずれも予定通り進捗している。どちらも論文を投稿し、片方は受理されている。また共同研究も順調に進んでおり、論文を投稿している。これらの結果を鑑み、本年度はおおむね順調に進展したと結論した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、(1)リガンド-受容体-細胞内情報伝達系における情報の流れの特徴化と定量化と、(2)多様なリガンドの細胞内情報伝達系による符号化原理、の2つのテーマに加えて、(3)細胞内情報伝達系の不均一性と細胞機能の情報の物理学、のテーマを進める。(1)に関しては、分担研究者の松岡が1分子イメージングの顕微鏡系を構築中であり、来年度中に画像の取得と定量化を行う。(2)に関しては、GPCRの下流の時系列情報から、細胞がどれくらいのリガンドの種類や濃度といった情報を取得できているのかを情報理論により見積もることを検討する。(3)に関しては、細胞性粘菌の走化性シグナル伝達系と培養細胞の増殖シグナル伝達における不均一性とその応答のふるまいを解析し、情報物理学につなげる。
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