研究領域 | ⼼脳限界のメカニズム解明とその突破 |
研究課題/領域番号 |
20H05714
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
西村 幸男 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, プロジェクトリーダー (20390693)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
35,620千円 (直接経費: 27,400千円、間接経費: 8,220千円)
2022年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2021年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2020年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 腹側中脳 / 筋力 / DERADD / 脊髄損傷 / 体性感覚 / 歩行 / 意欲 / 側坐核 / 人工神経接続 / 潜在能力 / リハビリテーション / うつ / 病態脳 / 心 / 脳 / 神経接続 / 限界 / 限界突破 / モノアミン / 可塑性 / 病態 / 技能 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞や脊髄損傷では、脳と脊髄とを繋ぐ神経接続の断絶により身体運動麻痺が生じる。また、脳梗塞や脊髄損傷患者はうつ症状を併発し、それが機能回復を妨げる。このように病態脳では神経接続と心の限界が著しく低下する。しかし辛く厳しいリハビリテーションを懸命に乗り越えることで、残存した神経接続が強化され、機能回復が実現される場合もある。これらのことから、神経接続と心に機能回復を可能にする潜在能力が備わっているのではないかと考えた。本班は、脳梗塞・脊髄損傷により神経接続が低下した病態脳の限界を規定する因子の特定と、その突破法の開発を担当する。
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研究成果の概要 |
運動準備時の腹側中脳の活動で将来の筋出力量が予測できることがヒト脳機能画像実験で明らかになった。モノアミン系神経核は病態脳においても重要な役割を果たす可能性がある。DREADD法による神経細胞の活動活性化により、サルの運動時間、筋出力、脊髄反射、熱反応が向上することが示された。脊髄損傷後の損傷されていない脊髄において、運動機能と体性感覚機能の潜在能力が存在する可能性が示唆された。 慢性脊髄損傷患者に人工神経接続システムで介入した結果、歩行速度が向上し、脳と脊髄の神経結合強度が増加し、歩行を誘発できる領域が広がった。つまり歩行機能回復には脳と脊髄を結ぶ神経回路の再組織化が起こることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、脳梗塞や脊髄損傷患者における神経接続と心の限界を理解し、それを突破するための新たな介入法の開発に貢献する。学術的には、神経科学やリハビリテーション医学において、神経接続と心の役割を明らかにする重要な知見を提供する。社会的には、機能回復を妨げる病態脳の限界を克服するための介入法の開発は、脳梗塞や脊髄損傷患者の生活の質を向上させる可能性がある。新たな治療法やリハビリテーションプロトコルが確立されれば、患者の機能回復が促進され、自立生活への復帰や社会参加の向上が期待される。
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