研究領域 | 中近世における宗教運動とメディア・世界認識・社会統合:歴史研究の総合的アプローチ |
研究課題/領域番号 |
20H05719
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大貫 俊夫 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30708095)
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研究分担者 |
菊地 重仁 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80712562)
金沢 百枝 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (10548001)
安藤 さやか 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (90807504)
山本 潤 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (50613098)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ヨーロッパ中世 / 観想修道院 / 典礼 / メディア / 写本 / ベネディクト修道院 / シトー会 |
研究開始時の研究の概要 |
ヨーロッパ社会においてキリスト教の教義に対して「身体的な適応」が進展したとされる9~13世紀前半を対象に、観想的な生活を送る修道院が構築した「典礼空間」の内実と変遷過程を明らかにする。修道規則、証書、書簡、歴史叙述、文学作品、写本彩飾、聖堂装飾をコミュニケーションを促進するためのメディアとしてとらえ直したうえで、①修道院がメディアを生み出した目的とその対象を分析し、②個々のメディアの表現方法や内容が典礼の発展といかに関係していたのかを考察することで「典礼空間」の特質を解明し、③「典礼空間」が社会のキリスト教化と統合に及ぼした影響を明らかにすること、の3点を研究目的とする。
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研究成果の概要 |
本プロジェクトは、9世紀から13世紀前半にかけて観想修道院が生み出した諸メディアの分析を行い、それにより形成された「典礼空間」の特質を明らかにしようと試みた。歴史学、美術史学、文学の3分野から修道士によって生み出された多種多様なテクストと図像を相互に比較しながら共同研究を行うとともに、他の研究班とともにシンポジウムや国際学会のセッションを構成した。班独自の試みとして特筆すべきは公開セミナー「アクアマニーレと典礼空間の形成」(2021年10月30日)であり、盛期中世ヨーロッパに普及したアクアマニーレ(水差し)がどのような価値観と世界認識の仕方を宗教生活にもたらしたのかを検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世ヨーロッパにおける社会のキリスト教化の過程を理解する上で、本プロジェクトが掲げた「典礼空間」という概念は大変有用であることが明らかとなった。この概念に、歴史学、美術史学、文学という人文学3分野が取り組むことで、従来それぞれのディシプリンによって個々に分析されてきた多種多様なテクストと図像の相互比較が可能となった。アクアマニーレに関する公開セミナーは、今後この「典礼空間」研究をさらに深化させるために重要なモデルケースになるに違いない。
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