研究領域 | 中近世における宗教運動とメディア・世界認識・社会統合:歴史研究の総合的アプローチ |
研究課題/領域番号 |
20H05720
|
研究種目 |
学術変革領域研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
赤江 雄一 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50548253)
|
研究分担者 |
駒田 亜紀子 実践女子大学, 文学部, 教授 (00403866)
荒木 文果 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (40768800)
原 基晶 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (50412218)
梶原 洋一 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (50844552)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | ヨーロッパ中世 / 托鉢修道会 / メディア / 写本 / 司牧革命 / フランチェスコ会 / ドミニコ会 / 書物 / 西洋中世 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画研究は13世紀初頭に誕生した托鉢修道会と総称される四修道会に注目し、これらが発達させた様々な「メディア」が、キリスト教化を個々人の内面にいたるまで推し進めようとするカトリック教会の「司牧革命」においてどのように機能したかを分析する。具体的には1)説教、説教や学問などを支える書物の形態や書物に描かれた図像、教育とそれに対する態度、美術の制作と受容、そして俗語の宗教的著作を取り上げ、2)13世紀から15世紀にかけての各メディアの特徴と相互連関を分析し、3)そうしたメディアが当時の社会統合に果たした役割を検討する。そのために歴史学、美術史学、文学の専門家が個別課題を追究しつつ密接に協働する。
|
研究成果の概要 |
本プロジェクトは、13世紀に誕生した、フランシスコ会とドミニコ会などの新形態の、いわゆる托鉢修道会に注目した。理念的には、俗人の司牧からは距離を置く観想的な修道制とは異なり、修道院の壁の外にでて、平信徒あるいは俗人に対して説教を行い聴罪を行う「司牧」を、自らの使命として積極的に携わった彼らの活動は、カトリック教会のその後の形を大きく定めることになる「司牧革命」の担い手であった。本プロジェクトは、大量言説普及装置としての説教、説教や学問などを支える書物の形態、書物に描かれた図像、壁画の制作と受容、俗語の宗教的著作などを、托鉢修道会が発達させた様々な「メディア」という観点から分析した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
托鉢修道会は複数の修道会をまとめた総称であり、通常はフランシスコ会、ドミニコ会などの個別の修道会の文脈内で論じられる場合が多い。しかし「托鉢修道会のメディア」という観点から、歴史学、美術史学、そして文学という各分野のメンバーがそれぞれの個別研究課題の検討を行うことで、説教、書物、図像、壁画などがいかに密接に連関していたかが明らかになった。13世紀以降三百年にわたって托鉢修道会が西ヨーロッパ社会で占めた位置を鑑みるならば、そして15世紀末以降ヨーロッパ外へ托鉢修道会がキリスト教を広げた力であったことを考えるならば、「托鉢修道会のメディア」とその影響力は、さらなる探究を要する研究対象である。
|