計画研究
学術変革領域研究(B)
全球非静力学モデルを用い、全球雲解像気候実験の先駆けとなる10kmメッシュ以下での10年積分という世界初の気候実験を実施する。再現性の調査、既存モデルとの比較、感度実験、および大気海洋結合テスト実験により全球雲解像気候モデル実現に向けた課題を世界に先駆けて特定し、その解決に挑戦する。これにより、気候システムにおける雲・気候の相互作用の理解と予測に革新をもたらす全球雲解像気候モデルを獲得する。
全球非静力学モデルNICAMを用いて乱流スキーム、鉛直層数および雲微物理スキームに関する感度実験を実施し、降水分布や東西平均気温などの平均場、および熱帯季節内振動などの擾乱場、双方ともに再現性の良いモデル標準設定を得ることに成功した。これを用いて3.5kmメッシュ全球10年気候シミュレーションを実現し、熱帯擾乱や梅雨前線など良好な再現性を実証した。また、季節内スケールの熱帯大気海洋結合過程を評価する新しい手法を提案し、大気海洋結合モデルNICOCOを用いたテスト気候実験の結果に適用して観測との差異を明らかにした。
これまで全球雲解像モデルは目的に応じてモデル設定を使い分ける必要があったが、本研究によって再現性のバランスが良い統一的なモデル標準設定を得ることができた。雲・気候の相互作用の統一的な理解を得るための重要な進展であるとともに、気候モデルとしての全球雲解像モデルの信頼性を高めることにつながる。将来的には全球雲解像渦解像モデルを用いた長期気候シミュレーションの実現により、雲・気候感度や極端現象、地域気候の将来予測が質的に向上し、地球温暖化適応策に資する予測データの創出が期待できる。
すべて 2024 2023 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (40件) (うち国際学会 25件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (2件)
In Proceedings of the International Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region (HPCAsia 2024)
巻: - ページ: 35-46
10.1145/3635035.3635040
Journal of Advances in Modeling Earth Systems
巻: 16 号: 2
10.1029/2023ms003701
Ocean Modelling
巻: 181 ページ: 102153-102153
10.1016/j.ocemod.2022.102153
気象集誌. 第2輯
巻: 101 号: 3 ページ: 191-207
10.2151/jmsj.2023-013
The Astrophysical Journal
巻: 940 号: 1 ページ: 87-87
10.3847/1538-4357/ac98ae
Journal of the Atmospheric Sciences
巻: 79 号: 11 ページ: 3027-3043
10.1175/jas-d-22-0078.1
Journal of Geophysical Research: Atmospheres
巻: 127 号: 7
10.1029/2021jd035916
Geosci. Model Dev.
巻: 14 号: 2 ページ: 795-820
10.5194/gmd-14-795-2021
Geophysical Research Letters
巻: 48 号: 20 ページ: 1-11
10.1029/2021gl094239
https://dna-climate.org/publications/