研究領域 | 高分子材料と高分子鎖の精密分解科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05733
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 崇匡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70456151)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
37,050千円 (直接経費: 28,500千円、間接経費: 8,550千円)
2022年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 粘弾性液体 / 動的高分子希薄系 / 動的希薄系 / ゲル / 精密分解 / 高分子ゲル / 粘弾性体 / レオロジー / 異常拡散 / 会合性高分子 / 粘弾性 / 分解 |
研究開始時の研究の概要 |
大きな構造変化を伴う朽ちゆく高分子材料の分解挙動は、未だ学術的な理解がされていない。本研究では、「朽ちゆく材料」の劣化・分解を調査するために、適切な「複雑さ」と「時間スケール」を持つ動的高分子希薄系をモデルとして用いた実験を行う。系統的な実験と解析を通して、分子動力学とメソ構造からマクロな分解特性を予測する物理モデルを得る。研究領域内外で活発に共同研究をおこない、新たな視座で学術の発展へ貢献する。
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研究成果の概要 |
朽ちゆく高分子材料の分解挙動の研究では、時間と構造変化に対応する動的高分子希薄系をモデルに用いて実験を行った。4分岐ポリエチレングリコールからなるスライム状のモデル物質を設計し、ミクロな動力学とマクロな粘弾性ダイナミクスの相関を解明し、ミクロとマクロ間の解離存在とミセルなどの成分拡散の影響を確認し、生体内動態を検証した。さらに、自発的な相分離を形成するモデル粘弾性液体を用いて、分岐ポリエチレングルコールの変数による相分離の存在を明らかにした。これらの研究は、高分子材料の劣化と分解の理解を深め、精緻なモデル構築に寄与するものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高分子の分解をモデル化する上で、簡素な系を用いたモデル実験は必要不可欠である。本申請で対象とした粘弾性液体・塑性体は、高分子全般の粗視化モデルとして利用可能であり、かつポリエチレングリコールと水の2成分系から、作り分けができる技術を確立した。 また、従来の研究では材料内の分子ダイナミクスの不均質性を定量評価することが困難であったが、モデル材料を用いたミクロとマクロの物性を比較することで、その不均質性を論じる基盤を得た。これらの結果は、高分子全般の分解ダイナミクスをモデル化する上で、基礎的な知見となる得るものと考えられる。
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