研究領域 | 高分子材料と高分子鎖の精密分解科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05736
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
畝山 多加志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10524720)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
37,050千円 (直接経費: 28,500千円、間接経費: 8,550千円)
2022年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 高分子 / シミュレーション / 粗視化 / 切断 / 分解 |
研究開始時の研究の概要 |
プラスチックやゴムに代表される高分子材料は利用される環境に応じて物理的、化学的、生物的といった種々の異なる要因によって分解されていく。このような分解が進行することで高分子材料の物性は徐々に変化していく。本研究では、各種分解が進展することが高分子材料の物性にどのように影響するかを理解するため、分解を効率的にシミュレーションできるモデルを構築する。構築したモデルと研究領域内で実施される各種実験とを連携することで、分解と物性変化の関係を明らかにすることを目指す。例えば、実験だけではわからない材料の変化の過程を調べたり、分解や物性を制御してよりよい高分子材料を作るための情報を与えることを目指す。
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研究成果の概要 |
ミクロ・メソスケールの高分子鎖の切断がマクロスケールの高分子物性におよぼす影響を調べるため、高分子鎖の切断モデルを精緻化してメソスケールモデルに組み込んだ。具体的には、まず既存の単純な切断モデルであるランダム切断モデルと末端切断モデルを統合して解析的に分子量分布の時系列変化を与えられるモデルを開発した。このモデルを高分子レオロジーの分子モデルと組み合わせ鎖切断がマクロスケールの流動挙動にどのような影響を与えるかを調べられるようにした。また、結晶性高分子の高レベル粗視化モデルを開発し、鎖切断の効果を組み込むことで、鎖切断がマクロスケールの応力ひずみ挙動に与える影響のシミュレーションを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高分子物理ではほとんどの場合、高分子の分子量は一定であるとして理論やモデルが構築されている。本研究により、鎖切断で分子量が変わる場合に高分子材料の物性がどのように変化するかを調べることができるようになった。また、本研究の結果は高分子材料を長期間利用した際にどのように力学物性が変化していくかを予測しそれを材料設計に反映させたり、高分子材料をリサイクルする場合にどれだけ流動物性や再生品の力学物性の変化があるか等を予測することに役立てられるものと期待できる。
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