研究領域 | 重水素学:重水素が示す特性の理解と活用 |
研究課題/領域番号 |
20H05738
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 岐阜薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
澤間 善成 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (80552413)
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研究分担者 |
江坂 幸宏 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (70244530)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
28,990千円 (直接経費: 22,300千円、間接経費: 6,690千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | 重水素 / 重医薬品 / 重水素化反応 / 生細胞イメージング / 医薬品 / 生体関連物質 / 不均一系触媒 / 新規触媒的合成 / 機能性評価 / 重水素標識化 / 有機触媒 / 重水 |
研究開始時の研究の概要 |
重水素(D)は水素(H)の放射性のない安定同位体として認識されているが、有機化合物のC-H結合をC-D結合に置換した化合物の物性は明らかに異なる。一方、機器分析性能は急速に向上しており、重水素置換化合物は親化合物(未置換体)との類似性を利用したトレーサーとして有用視される。この相反する価値観を理解し制御することで新たな学術的な変革を起こすことができる。本研究では、未踏分野である生体関連物質(脂質・脂肪酸・医薬品・合成前駆体など)の重水素置換体合成法を確立し、成績体の種々活性評価(同位体効果)を実施する。
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研究成果の概要 |
炭素―重水素結合は炭素―水素結合より安定であるため、反応(代謝)部位に重水素を導入することが機能性発現に重要である。今回、白金族触媒や塩基触媒、光触媒を駆使して、これまで達成困難とされていた有機分子の直接的な重水素化法を開発した。重水素化医薬品の物性評価により、重水素化することで水溶性や代謝安定性が向上する医薬品を見出した。また、重水素化した医薬品を用いて生細胞ラマンイメージングにも成功した。その他、第4級アンモニウム塩や硫黄含有化合物(メチオニンやビオチンなど)、PEGなどの効率的な重水素化法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、多様な分野で重水素化体の利用性が注目されている。例えば、医薬品の代謝部位C-H結合を安定なC-D結合に置換することで、代謝遅延による生物活性の向上や副反応の抑制へと繋がる。また、C-Dの特徴的な物性を利用することで、蛍光や放射性タグを用いる事なく、生細胞イメージングが可能となる。しかし、これら対象となる重水素化体を合成する手法は限定的である。今回、我々は重水素化の今後の発展に寄与できる多様な分子の重水素化法を達成した。これら手法は、今後望まれる重水素化分子の提供を可能とし、多様な科学分野の発展に貢献できる。
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