研究領域 | 重水素学:重水素が示す特性の理解と活用 |
研究課題/領域番号 |
20H05739
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石元 孝佳 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50543435)
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研究分担者 |
兼松 佑典 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (10765936)
宇田川 太郎 岐阜大学, 工学部, 助教 (70509356)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
31,460千円 (直接経費: 24,200千円、間接経費: 7,260千円)
2022年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 重水素 / 理論化学 / 量子効果 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的な同位体元素と比べると、水素(H)と重水素(D)は質量の違いに加え、プロトン・デューテロンの量子効果の違いが電子状態に大きな影響を及ぼすことが予想される。本申請では、重水素化物質の物性や反応性に関する本当の姿を明らかにするために、Born-Oppenheimer (BO)近似を用いない、つまりnon-BO型の新規量子論の高精度化と大規模化に取り組む。開発手法を用いて、重水素の特性を理解し活用する重水素学の開拓に向けた新概念を創出する。
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研究成果の概要 |
重水素化物質の安定性・反応性の制御や薬理活性の本質的な理解のためには、デューテロンの量子性が重水素化物質の電子状態に与える影響を正しく理解することが必要である。本申請では、重水素化物質の物性や反応性に関する本当の姿を明らかにするために、重水素化物質に対して、Born-Oppenheimer (BO)近似を用いない新規量子論の構築に取り組み、励起状態や化学シフトで水素・重水素の違いを記述できるような方法論の開発・改良した。さらに、重水素化物質の電子状態や物性、KIEの解析、反応溶媒(D2Oなど)・酵素との安定性、反応性に関する解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2017年の重水素化医薬品の登場に伴い、重水素化物質の研究開発が激化している。しかしながら、重水素化に伴う、化学結合の強化や速度論的同位体効果、種々の物性変化がどのような機構で引き起こされるのか、その詳細は十分に明らかにされていない。本研究ではこれらの課題解決に向けて、従来の量子化学計算手法とは異なるnon-BO型の計算手法を開発した。開発手法のより重水素化物質の本質を捉えることが可能となったことで、今後の重水素化物質の研究開発にも多いに応用でき、研究の効率化や新材料の開拓などに貢献できることが期待である。
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