研究領域 | 霊長類発生学研究の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
20H05761
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 友紀 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90648429)
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研究分担者 |
岡本 郁弘 京都大学, 高等研究院, 特定講師 (40648424)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
38,220千円 (直接経費: 29,400千円、間接経費: 8,820千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 霊長類 / 発生学 / scRNA-seq / 着床後胚発生 / 次元の呪い / カニクイザル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画A01では、研究領域の目標である非ヒト霊長類を用いた着床後胚の発生学研究基盤構築のうち、霊長類着床後胚発生研究が滞っていた大きな原因の一つである試料採取の困難性に対する回避策の提供を目標とする。このため、着床期のカニクイザル胚に出現する全細胞種をscRNA-seqにより同定し、同時に主要マーカー遺伝子の発現部位を明らかにすることで、位置情報を保持した遺伝子発現動態の完全解明を目指す。また生存率の極めて低い既存のEx vivo culture法を改良し、子宮内で発生する胚周囲の環境を参考に生存率向上を目指す。そしてA02で再現される子宮内膜環境への着床モデル構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究計画では、カニクイザルを用いた着床直後の霊長類特異的な発生現象に着目した。まずは出現する全細胞種の同定を目指しE15-E23における胚を用いたscRNA-seqを行った。その際scRNA-seqに内包される「次元の呪い」という問題を解決するアルゴリズムRECODEを開発した。そしてE17-E19において胚の発生ステージが大きく変わること、さらには同時期のマウスには存在しないEXMC, AmEctoの特徴を明らかにした。またX染色体の不活化様式が、マウスとは異なることも見出した。さらにサルESCからの生殖細胞系譜がどういった系譜を辿るか調べたところ、AmEctoを経由することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの流産の多くが初期に起こると言われているが、ヒトの着床直後の胚発生はなぞに包まれている。また多能性幹細胞を用いた再生医療/創薬研究も大きな期待を寄せられているが、霊長類多能性幹細胞の実態は未知な部分が多い。本研究成果は、大きな期待を寄せられている今後のヒト胚発生研究や臨床応用研究、さらには多能性幹細胞研究のための重要な参照データとなり、今後の研究発展を支える基盤となるものである。
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