研究領域 | 霊長類発生学研究の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
20H05762
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高島 康弘 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (70469930)
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研究分担者 |
中家 雅隆 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任助教 (90805459)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
38,090千円 (直接経費: 29,300千円、間接経費: 8,790千円)
2022年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 栄養膜幹細胞 / 多能性幹細胞 / 子宮内膜 / ヒト / カニクイザル / 霊長類 / 子宮内膜上皮 / 子宮内膜間質 / 着床 / オルガノイド / 初期発生 / 幹細胞 / 子宮内膜細胞 / 子宮間質細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、子宮内環境を試験管内で構築し、霊長類初期発生を試験管内で正確に再現する基盤を構築する。構築した試験管内の子宮環境下で胚発生を行い、霊長類着床後初期発生の基盤を構築する。遺伝子改変の評価と解析を試験管内レベルで可能とする。 試験管内で可視化が可能かつ操作可能な霊長類発生学研究基盤を構築し、伝統的な発生学の手法を取り込みつつ、着床後霊長類発生学の新機軸を作ることに貢献する。また臓器形成期まで試験管内で胚発生させることを目指し、再生医学への展開を試みる。
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研究成果の概要 |
我々はナイーブ型ヒト多能性幹細胞から栄養外胚葉(TE)を作製することに成功した。さらに栄養外胚葉(TE)から細胞性栄養膜細胞(CT)およびCTオルガノイドの作製に成功した。作製したCTは自己複製能が高く、遺伝子発現や形態もヒトの胎盤から誘導した栄養膜幹細胞と似ており、CT幹細胞を樹立することができたと考える。さらにCTは、ヒトの体内では合胞性栄養膜(ST)と絨毛外栄養膜(EVT)の両方へ分化できる細胞で、本研究で作製したnCT(ナイーブ由来CT)もSTとEVTに分化できた。また、カニクイ胚が着床した直後の子宮内膜を取得し、網羅的解析を実施し、着床期の遺伝子プロファイリングの取得に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胎盤は妊娠を維持する上で必須の臓器である。胎盤の異常が起こると、妊娠高血圧症候群や胎児発育不全などの合併症が引き起こされる。子宮や胎盤を調べることは重要であるが、技術点な面でも、倫理的な面でも困難であった。多能性幹細胞を用いることで、サンプル数を増やすことや遺伝子編集など、さまざまな実験を行うことが出来る。本研究で構築されたモデルは、従来の倫理的規制を遵守したまま、初期胚の研究の可能性を広げ、将来、不妊症や、胎盤に関連した妊娠合併症の病態解明に繋がることが期待される。カニクイザル妊娠初期から得られた遺伝子情報はヒトでは解析不可能な時期であり、ヒト着床期を推察する重要なデータとなる。
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