研究領域 | 冬眠生物学~哺乳類の低代謝・低体温による生存戦略 |
研究課題/領域番号 |
20H05767
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
砂川 玄志郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (70710250)
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研究分担者 |
清成 寛 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40721048)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
39,780千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 9,180千円)
2022年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2021年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2020年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | 冬眠 / 休眠 / 遺伝子改変ハムスター / 低代謝耐性 / 低温耐性 / 日内休眠 / ハムスター / QIH / 能動的低代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類には冬眠(数ヶ月)や日内休眠(数時間)などの休眠状態(能動的低代謝)となる種が存在する。休眠中は少ない酸素消費量でも生存可能な省エネ状態だが、その原理はほとんど分かっていない。本研究では冬眠様状態を誘導できるマウスを駆使し、省エネ機構の重要因子をあぶり出し、遺伝子改変動物でin vivo/in vitroの代謝解析を通して省エネ機構の分子ネットワークを明らかにする。
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研究成果の概要 |
哺乳類の冬眠休眠実行の分子ネットワーク解明のために冬眠様低代謝を呈するマウスを用いて休眠の省エネ機構の原理解明を目指した。まず、冬眠様モデルマウスを用いて複数臓器において休眠時と正常時の遺伝子発現の差を観察し、休眠省エネ機構の制御に関連する遺伝子のリストアップを行った。これらの遺伝子が実際に因果性を持って休眠の省エネ機構に寄与しているかを検証するために、Qrfp(cre/+)マウスの受精卵にCas9タンパクとgRNAを直接導入し、該当する遺伝子KOマウスを作成し、休眠表現型を観察した。さらに、季節性の冬眠における該当遺伝子の重要性を検証するために遺伝子改変ハムスターの作製技術の開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果の学術的意義は、冬眠様モデルマウスを用いることで、季節性の冬眠動物では実現が難しい低代謝だが体温は高い状態、すなわち「温かい冬眠状態」を研究対象にしたことである。このアプローチにより、今後、これまでの冬眠動物の研究からは見出すことができなかった、休眠の省エネ機構に注目した遺伝子などが見つかることが期待される。本研究は基礎研究であるため、社会的意義を直ちに見出すことは難しい。しかし、休眠省エネ機構の理解の先には、人間を含めた冬眠をしない動物を冬眠させることで臨床を高品位化し、実生活をより豊かにすることが見込まれているため、長い目で見たときに本研究は大きな社会的意義を持つ可能性は十分にある。
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