研究領域 | 細胞内寄生性病原体の自己・非自己の境界を決めるPLAMPの創成 |
研究課題/領域番号 |
20H05772
|
研究種目 |
学術変革領域研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
新崎 恒平 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (70609990)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2022年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2021年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2020年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
|
キーワード | PLAMP / レジオネラ / レジオネラエフェクター / 小胞輸送 / Rabタンパク質 / 小胞体 / 膜輸送 / 膜融合 / Rab |
研究開始時の研究の概要 |
本来我々にとって「非自己」である病原菌の多くは、病原性を発揮する過程において「自己」として振る舞う。そして、自己として振る舞うために、我々の細胞内の環境を病原菌にとって都合の良い環境へと「自己化」する。それゆえ、病原体が細胞内の「どこ」を「どのように」自己化しているのかを明らかにすることは、病原菌による感染症に対して、抗生物質を使用しない新たな治療への足がかりとなることが期待される。本研究では、肺炎を引き起こすレジオネラを病原菌のモデルとして、レジオネラの宿主細胞内における「自己化」の分子機構を明らかにすることを目的としている。
|
研究成果の概要 |
本研究は肺炎を引き起こすレジオネラの細胞内における自己化PLAMPの解明を目的として行なった。具体的には、「レジオネラが細胞内で形成するレジオネラ含有液胞(Legionella-containing vacuole: LCV)のリソソーム輸送阻害機構の解明」、「LCVの小胞体移行機構の解明」、「LCVの小胞体定着化機構の解明」の3つの自己化PLAMPに関連する宿主・バクテリア両因子の解析を行なった。本研究では、3つ全てのテーマにおいて、自己化PLAMPを促進するレジオネラエフェクターの同定に成功した。更に、当該エフェクターの自己化PLAMP促進における分子機構の一部を明らかにすることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義として重要な点は、「細胞内に侵入したレジオネラが自身を分解する宿主機構を回避しながら、増殖の場となる小胞体へと移行し定着化する」レジオネラ自己化PLAMPに関わる宿主・バクテリア両因子の決定とその分子機序を明らかにできたことである。社会的意義としては、本研究成果が「新規レジオネラ治療薬開発への足掛かりとなるかもしれない」ことである。現時点では、レジオネラに対する治療法は抗生物質の投与が主流となっているが、本研究で明らかになりつつあるレジオネラPLMAPを阻害することによる増殖抑制といった新たな治療法を確立できる可能性を秘めている。
|