計画研究
学術変革領域研究(B)
リボソームがコドンを読み取る速度は一定ではなく、むしろパラメトリックに進行し、一時停止および渋滞をする例があることが報告されている。しかしながらその全容や速度制限にかかわる共通の原理・ルールは全く明らかにされていない。これはリボソーム一時停止を網羅的に、かつ高感度に探索する技術がこれまで皆無であったことによる。本研究ではこの問題を解決する『Disome-Seq法』と呼ばれる新規技術を確立し、リボソーム一時停止を探索するとともに、班員が得意とする物理化学的な影響 (原田・岡部)あるいは高次生命現象 (土居、池内)でどのように制御されるかを理解することを目指す。
本研究課題では、リボソーム渋滞を網羅的に解析する手法Disome-Seqを開発してきた (Han et al. Cell Rep 2020)。この手法をヒト、ゼブラフィッシュ (Han et al. Cell Rep 2020)のみならず、大腸菌にまで展開させた (Fujita et al. RNA 2022)。パラメトリックな翻訳の動態を人工的に制御する新技術としてdCas13を用いたCRISPRδ(クリスパー・デルタ)法 (Apostolopoulos et al. Nat Commun 2024)開発した。
Disome-Seq法は翻訳そのものに関する基礎研究はもとより、リボソーム渋滞が原因で発症する疾患(神経変性疾患など)の理解に貢献すると期待できる。CRISPRδ(クリスパー・デルタ)法は、非常に特異的であるため遺伝子の機能を理解するという基礎生物学的応用ができる。また、ウイルス特異的な翻訳様式や神経変性疾患の原因となり得る特殊な翻訳様式も抑制できることから、さまざまな応用につながることが期待される。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
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