研究領域 | pH応答生物学の創成 |
研究課題/領域番号 |
20H05788
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 重成 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70604635)
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研究分担者 |
圓岡 真宏 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (70736412)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
38,220千円 (直接経費: 29,400千円、間接経費: 8,820千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2021年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2020年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | pH / pHストレス適応 / がん / 転写因子 / pH適応 / ストレス感知 / TRPチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではpHに対する生物学的理解に変革を起こすべく、pH誘導型転写因子の同定という生命科学の最重要課題の一つに挑むことを主たる目的とする。またpHの「シグナル」としての側面にも迫るべく、pH感受性Ca2+透過型TRPチャネルを基盤とし、pH変動→Ca2+シグナルへの変換が及ぼすがん生物学的意義も解明する。さらに、ストレス感知・応答機構は無脊椎動物から発見された例が多数存在するので、A02と共同でpH耐性サンゴの適応機構を解明することで、この知見を哺乳類に適用するというユニークな研究も実施する。以上、「pH応答生物学の創成」を実現するべく、先頭に立ってpHに対する生物学的理解に変革を起こす。
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研究成果の概要 |
本研究ではpHに対する生物学的理解に変革を起こすべく、pH誘導型転写因子の同定という生命科学の最重要課題の一つに挑むことを主たる目的とした。具体的には、低pH刺激による遺伝子発現誘導に必要なエンハンサー領域を同定した後、質量分析を用いた実験により本領域に結合するタンパク質を網羅的に同定することで、pH誘導型転写因子の候補遺伝子群をおよそ400種類見出した。今後は、それぞれの候補遺伝子群をCRISPR-Cas9技術を用いて遺伝子欠損させ、pH刺激に対する応答が減弱する遺伝子群を同定することで、pH誘導型転写因子を最終決定させる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化ストレス誘導型転写因子NRF2や低酸素ストレス誘導型転写因子HIFの発見が及ぼした歴史、またpHが司る生物学的枢要性・多様性を考えると、pH誘導型転写因子の同定により現代の生物学の常識を超えた新規生命現象が見えてくることは間違いなく、かつ多くの研究における源流になることが期待される。またpH異常は事実上すべての疾患に関わっていることが予想されるため、創薬の観点でも非常に重要な知見を得ることになる。
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