研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
20H05805
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 悠 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (50631909)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
2024年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2023年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2022年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2021年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ウェルビーイング / 主観的幸福感 / ソーシャルサポート / 公的サービス / 社会調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、本学術変革領域「生涯学」がめざす「豊かな人生を享受できる超高齢社会を実現するための科学的基盤の解明」とその成果の「社会実装」に向けて、現代日本社会における「豊かな人生」つまり「生涯全体にわたってウェルビーイングの高い人生」の条件をさぐるものである。 具体的には、日本の成人を対象とした全国規模の社会調査を行い、生涯の各時期の「ウェルビーイング」(主観的幸福感など)の規定要因を分析する。その際とりわけ、先行研究で実証的な検討が欠けていた「ウェルビーイングに対するソーシャルサポートと公的サービスの交互作用効果」と「ソーシャルサポートに対する公的サービスの効果」を、実証的に検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度には、これまで実施した全国ウェブ調査や全国郵送調査のデータを用いて、「ウェルビーイングの規定要因」や「保育の長期効果」の分析などを行った。 その際、以下の点に留意した。まず、ソーシャルサポートがウェルビーイングに与える効果として、第1に「直接的にウェルビーイングに影響する」という直接効果が考えられた。また第2に、「公的サービスの利用に影響することで、間接的にウェルビーイングに影響する」という間接効果も考えられた。つぎに、公的サービスがウェルビーイングに与える効果として、第1に「直接的にウェルビーイングに影響する」という直接効果が考えられた。また第2に、「ソーシャルサポートのやりとりに影響することで、間接的にウェルビーイングに影響する」という間接効果も考えられた。 そこでこれら4つの可能性を考慮して、以下の4つのリサーチクエスチョンを設定した。①誰との間のどのようなソーシャルサポートのやりとりがどの程度増えると、どの種類のウェルビーイングがどの程度改善するのか、②誰との間のどのようなソーシャルサポートのやりとりがどの程度増えると、どのような公的サービスの利用がどの程度減るのか、③どのような公的サービスの利用がどの程度増えると、誰との間のどのようなソーシャルサポートのやりとりがどの程度増えるのか、④どのような公的サービスの利用がどの程度増えると、どの種類のウェルビーイングがどの程度改善するのか。 上記①~④を検証する視点で、「ウェルビーイングの規定要因」や「保育の長期効果」などの分析を行った。前者の分析の成果は「生涯学」の成果書籍にて掲載される予定である。後者の分析では、これまで行ってきた傾向スコア法に加えて操作変数法も試み、より精度の高い因果推論を試みた。その他、研究協力者もそれぞれのテーマで研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、「ウェルビーイングの規定要因」や「全国規模の普遍的な0~2歳保育の、成人後の幅広い社会生活状況に対する長期効果」などの分析を行った。前者の分析の成果は「生涯学」の成果書籍にて掲載される予定であり、70代までの生涯全体を視野に入れた点などに新規性がある成果となった。後者の分析では、既存研究よりも精度の高い因果推論を試みることができた。その他、研究協力者もそれぞれのテーマで研究を進め、書籍(三谷はるよ『ACEサバイバー:子ども期の逆境に苦しむ人々』ちくま新書)などの成果を出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者においては、既存研究(Shibata 2022)で用いられたウェブ調査データよりも母集団に対するバランスがより良い、2022年度実施の郵送調査のデータを用いて、「全国規模の普遍的な0~2歳保育の、成人後の幅広い社会生活状況に対する長期効果」の分析をひきつづき行う。その際、既存研究(Shibata 2022)よりも精度の高い因果推論をひきつづき試み、論文投稿に向けた準備を進める予定である。また、研究協力者においても、他のテーマでの研究を進めて、論文投稿や投稿準備を進める予定である。
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