研究領域 | 中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ |
研究課題/領域番号 |
20H05817
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 明治大学 (2021-2024) 金沢大学 (2020) |
研究代表者 |
神谷 嘉美 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (90445841)
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研究分担者 |
飯塚 義之 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (90804203)
石田 智子 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)
渋谷 綾子 東京大学, 史料編纂所, 特任助教 (80593657)
南 武志 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00295784)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
49,270千円 (直接経費: 37,900千円、間接経費: 11,370千円)
2024年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2023年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2022年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2021年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 漆器 / 胎土分析 / 朱 / 残存デンプン粒分析 / 玉器 / 水銀朱 / 石器石材 / 中国由来 / 科学分析 / 威信材 / 文化財分析 / 古代中国 / モノづくり技術 / 産地推定 / 文化財科学 / 手法解説 / 遺跡出土水銀朱 / 文理融合 / 石材 / 硫黄同位体分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、権威の象徴として定義される「威信材」の材料分析を通して生産地を推定し、古代中国のモノづくり材料や技術拡散の実態を解明する。 具体的には①漆器、②水銀朱、③装身具材料や石器・玉器、④土器、⑤残存デンプン粒という5つの有機・無機物の威信材研究を通して、物質文化と生業文化における地域間交流の解明と、背景にある社会複雑化との関係を究明する。関連要素を明確に特定することにより、古代中国において原材料がどのように活かされ、技術開発・伝播に繋がっていったのか、モノづくりの時空間動態の解明について貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
2023年度(令和5年)は、COVID-19の影響による国内外の移動や渡航制限が緩和されたことで、これまで延長・中止してきた現地調査を進めることができた。さらに中国から2名の研究者・国内研究者4名を招聘して、2024年2月に奈良県立橿原考古学研究所ならびにZoomウェビナーによるハイブリッド形式にて、公開国際シンポジウム「古代中国と日本をめぐる最新調査研究」を開催した。当日は講堂現地での日中の同時通訳ならびにウェビナー上での日中通訳を聴講できるようにした。さらに海外への研究手法の発信として、2022年8月に公開した分析ハンドブックの英語版を作成した。 神谷は沖縄・モンゴルでの現地調査を実施し、モンゴルに中国由来の漆器が数多く出土していることを確認した。また2024年2月に「漆器の科学分析に関する研究会」をモンゴルにて開催し、匈奴時代の漆器発掘や文化遺産の保護に従事する研究者らが各機関より参加した。飯塚は、日本国内に収蔵されている中国由来(古代以前の渡来品および近世以降の搬入品)の文化財の分析を再開し、国内外での研究発表ならびに論文執筆を積極的に行った。石田は、日本国内で所蔵している関係資料の情報収集を行うとともに、國學院大學博物館から預かっている資料整理および記録作成を進めた。渋谷は、ウズベキスタン・ダルヴェルジン遺跡から出土した磨石2点に対し、残存デンプン粒分析を行った。南は山東大学との共同研究を進めながら、秦以前の時代の古代中国15遺跡出土朱の産地推定を硫黄同位体比分析から試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中国での現地調査は依然としてできていないものの、中止・延期してきた国内外での現地調査について実施でき、現地調査を通して中国由来の出土遺物の分析サンプルを複数得ることができた。加えて、国内外でのアウトリーチ活動、論文発表など、成果は着実に得られてきている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の流行によって拡大によって、分析サンプルの入手が課題になっていたが、漆器、石器・玉器、水銀朱で新たなサンプルを複数得ることができたため、これらの分析を進めながら、追加調査を適宜実施する。さらにこれまでの文献調査・現地調査の成果や、分析結果を取りまとめ、積極的に論文執筆を進める。
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