研究領域 | 中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ |
研究課題/領域番号 |
20H05820
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
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研究分担者 |
遠藤 英子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (60766947)
熊谷 真彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 主任研究員 (80738716)
竹井 惠美子 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (90197252)
村上 夏希 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (90801267)
西内 巧 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (20334790)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
85,280千円 (直接経費: 65,600千円、間接経費: 19,680千円)
2024年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2023年度: 18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2021年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2020年度: 17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
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キーワード | ユーラシア / 植物考古学 / 脂質 / ゲノミクス / プロテオミクス / 雑穀 / タンパク質 / カザフスタン / 酒 / 土器 / クルガン / 考古植物学 / 中央アジア / 残存脂質 / 考古科学 / 安定同位体 / メタボロミクス / 圧痕 / プロトシルクロード / マルチオミクス / 残存脂質分析 / 考古生化学 / キルギス / 考古学 / 古DNA / 土器圧痕 / ムギ / アワ・キビ |
研究開始時の研究の概要 |
近年の調査の進展により、ユーラシア大陸東部では、新石器時代から青銅器時代にかけて、長江流域~華南を中心とするイネ、中国東北部~華北を中心とするアワ・キビ、中央アジアを中心とするムギ食文化圏が次第に接近し、相互交流を経てそれぞれ変容していく様子が次第に明らかになってきた。これらの穀物の消費や調理に関する地域ごと・時期ごとの具体的な様相を、植物遺存体や土器圧痕、そして土器胎土・歯石・炭化物に残る生体分子の複眼的な分析を通じて明らかにすると同時に、民族植物学的知識を援用して解釈を実地に即したものとし、様々な地域に由来する多様な食文化の融合が、中国文明の形成に果たした役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
計画研究班の研究分担者らと連携しながら、中国文明の形成において重要な西からのインパクトを与えた、カザフスタン・キルギス・中国の青銅器時代、鉄器時代を中心とした調査研究を進めた。土器圧痕分析からは、アワの中国から中央アジアへの西伝の時期がこれまで考えられていたよりも数百年さかのぼることを明らかにし、国際誌上で発表した。また、土器残存脂質分析の方法を用いて、カザフスタンの各地において、同時期においてもキビの調理のされ方(どのような食材と混合されやすい傾向にあるか)に遺跡や地域による差があることを確認し、学会で発表した。さらに、日本や中国の遺跡出土炭化米にタンパク質が残存していることを確認し、それを同定した研究成果を学会で発表した。一方で、素焼き土器によるアルコール飲料の発酵についての実験的研究を、奈良県内の酒造会社や他県の大学と共同で進め、その成果を関連研究会で発表した。海外調査としては、6月26日から7月7日にかけて、西カザフスタンにおいてキリク・オバ・クルガンの現地調査および西カザフスタン郷土史博物館・研究所収蔵資料の実測調査およびサンプリングを行った。また、10月3日から9日に、ジョージアにおいて素焼き土器によるワイン醸造の民族誌調査を行った。2023 年4 月2 日に同志社大学にて国際シンポジウム「考古学マススペクトロメトリーが明かす古代の食:世界と日本の残存脂質分析のこれまでとこれから」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ポスト・コロナ時代に入り、海外調査がふたたび可能となった。これまで行えなかった遺跡の踏査や現地の博物館等施設に所蔵されている資料の実測調査・サンプリングが可能となり、西カザフスタンにおいて実行に移すことができた。また、国内外の学会で積極的に情報交換を行うことで研究の方向性をより明確にすることができた。国際誌での論文発表も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
アルタイ、キルギス、中国における分析事例をまとめ、論文として出版する。素焼き土器によるアルコール飲料発酵に関するこれまでの研究成果をまとめ、単行本として出版する。領域全体の他の計画研究とのシナジー効果を生み出すため、他班との連携を推進する。
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