研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05825
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
野田 仁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (00549420)
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研究分担者 |
濱本 真実 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (00451782)
高野 さやか 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (20586656)
中西 竜也 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40636784)
矢島 洋一 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (60410990)
坪井 祐司 名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (70565796)
和田 郁子 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (80600717)
高松 洋一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90376822)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
63,830千円 (直接経費: 49,100千円、間接経費: 14,730千円)
2024年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2020年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 翻訳 / 国際商業 / 思想 / 知識人 / イスラーム法 / 国際貿易 / 通訳 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、計画研究「知の変換班」として、イスラームの拡大に連動する学知と情報の拡散の過程において、それらがどのように各地域において変換され、またその結果として交渉・紛争解決にいかなる役割を果たしたのかという問題について、「イスラーム思想・学知の翻訳」「イスラーム法を中心とする多元的な司法・紛争解決」「国際商業の場における交渉・ネットワーキング」の3つの論点を軸とした現地調査・文献調査を行い、これを解明しようとするものである。 とりわけ、知(情報・言語)の越境的移動とその効果・変容に焦点を当て、イスラーム的コネクティビティの知恵を抽出し、理論化につなげることをめざしている。
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研究実績の概要 |
今年度は、ここまでの成果を集約すべく、成果論集のシリーズ「イスラームからつなぐ」第3巻『翻訳される信頼』の編集作業に注力した。「翻訳」をキーワードにして本書をまとめるにあたり、当初考えていた知の伝播、国際商業、多元的法制度の3つの軸からさらに対象を広げ、実地で翻訳に従事する通訳官・通訳者も分析の対象に加え、その接続・仲介的な役割をも示すことも論点とした。本書は、イスラームのひろがりを構成する具体的なネットワークを明らかにすることに加え、コミュニケーション上の齟齬や食い違いにも、信頼を見いだそうとする点に特徴がある。とりわけ翻訳不可能性の問題を乗り越えた先にある、不等価な翻訳にも意義を見出す点は新しい議論に発展し得ると考えられる。各自が行った海外調査や資料収集の成果も本書各章に反映されている。 またオーストリア科学アカデミーイラン学研究所を中心とする研究プロジェクトCommission for the Study of Islam in Central Eurasiaとの共催で、"Muddying the waters: Towards a history of the Caspian Sea"と題する国際会議を開催し、多方向のヴェクトルが重なり合う地点としてのカスピ海とその周縁の歴史から、ネットワークの多義性などを考察した(2023年9月)。2024年3月開催のワークショップ「近代帝国のなかの翻訳とコネクティビティ」では、本課題と関連付けられた公募研究課題(代表者:磯貝真澄)との共催により、帝国の多元性およびイスラームの学知の拡散・継承について議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
部分的にではあるが計画していた海外調査を実施することが可能になり、成果論集のために必要となる情報収集ができたためである。
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今後の研究の推進方策 |
上記成果論集において整理した理論的枠組みをさらに検証するために、具体的な交渉の局面を比較することが必要である。また引き続き国際的な発信をめざす。
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