研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05826
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
|
研究分担者 |
長 有紀枝 立教大学, 21世紀社会デザイン研究科, 教授 (10552432)
岡井 宏文 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (10704843)
池田 昭光 明治学院大学, 教養教育センター, 助教 (10725865)
昔農 英明 明治大学, 文学部, 専任准教授 (20759683)
村上 忠良 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (50334016)
子島 進 東洋大学, 国際学部, 教授 (90335208)
中野 祥子 山口大学, 教育・学生支援機構, 講師 (90803247)
|
研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
51,480千円 (直接経費: 39,600千円、間接経費: 11,880千円)
2024年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
|
キーワード | ムスリム / コネクティビティ / 信頼 / コミュニティ / 移民 / イスラーム / ネットワーク / 難民 / 日本 / ナショナリズム |
研究開始時の研究の概要 |
現代の移民・難民の多くがムスリムであること、今後の世界人口の趨勢におけるムスリム人口のますますの増大を踏まえ、ムスリム移民・難民が、移動先の受入れ社会に対して積極的に働きかける主体的な関係づくり(コネクティビティ)の実態を解明し、そこでいかなる形で信頼が構築されようとしているのかを明らかにする。日本、東南アジア、欧米の地域を中心に移民・難民の状況を調査・研究し、コネクティビティの暗黙知を引き出すとともに、そこで新たに創り出されるコミュニティのあり方を探り、国境を越えたコネクティビティを通じて越境的な主体として立ち現れる過程を描き出す。
|
研究実績の概要 |
2023年度の中心的な研究実績は、研究成果の「シリーズ・イスラームからつなぐ」の第4巻『移民・難民のコネクティビティ』黒木英充編(東京大学出版会、2024年3月)の刊行である。A03班のメンバーを中心に、外部からワークショップにて報告を依頼した研究者、公募研究代表者に章執筆を依頼して、研究代表者による総論と、「第Ⅰ部 身近なムスリム移民のコネクティビティと信頼」の3章が現代日本のムスリム移民を、「第Ⅱ部 世界をめぐるムスリム移民のコネクティビティと信頼」の4章がタイ、日本・トルコ・米国、フランス、ドイツにおけるムスリム移民を扱い、「第Ⅲ部 難民受け入れと支援の歴史と現在」の2章がオスマン帝国と現代レバノンでの難民支援問題、「第Ⅳ部 移民・難民と遠隔地ナショナリズム」の2章が20世紀初めのシリア移民、世紀末から現代にかけてのボスニア難民について論じた。移民・難民の主体性に注目し、その関係づくりの実態を解明してそこに信頼がいかなる形で形成され(ようとし)たかを様々な視点から説き明かしている。 第3回国際会議"Exploring the Tacit Knowledge of Trust Building and Cobnnectivity amidst Predicaments"をB03班と共同企画により2024年3月1-3日に開催し、4セッションに加えて若手研究者の公募によるポスター発表、ショートプレゼンテーションからなる会議実施した。ほか、他計画研究班、他科研等との共催により、西欧に向かう難民のバルカン・ルートについて、ガザにおけるジェノサイドについての激化直後の情報提供や長期的視野からの位置づけ等につき、内外の研究者による講演会・ワークショップを開催した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究成果(シリーズ第4巻『移民・難民のコネクティビティ』)の刊行を年度内に行うとともに、B03班との共同企画による国際会議を成功裡に開催することができた。いずれにおいても、パレスチナ/イスラエル問題のカタストロフ的な悪化が当初の企画段階において予期していなかったものであったが、本プロジェクトにおける重要なテーマに深くかかわるものであるゆえ、この問題を織り込んで論述・議論することができた。海外調査についても進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度に当たるため、研究の取りまとめを全体集会・国際会議に反映させるべく企画を立てる。同時に、海外・国内調査も進めて、本プロジェクトにて得た様々な成果を、次の研究につなぐ芽として計画研究班内で共有するとともに、プロジェクト全体、さらには関係する研究者コミュニティに広げてゆく方策を考える。日本国内のムスリム移民に関するシビルダイアログを企画・実施する。
|