研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05828
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
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研究分担者 |
後藤 絵美 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (10633050)
池田 一人 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (40708202)
青山 弘之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450516)
菅原 由美 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80376821)
工藤 正子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (80447458)
飯塚 正人 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90242073)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
62,530千円 (直接経費: 48,100千円、間接経費: 14,430千円)
2024年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | イスラーム信頼学 / ムスリムと非ムスリム / コネクティビティ / ムスリム移民 / 紛争 / イスラーム / ロヒンギャ / 南アジア / シリア / 国際情勢 / 思想 / 信頼学 / ネットワーク / 戦略 / イスラーム思想 / 戦略性 / 現代イスラーム / ジャワのイスラーム化 / 南アジアのイスラーム / 中東の国際関係 / ムスリムの戦略性 / アフガニスタン / ターリバーン / ムスリムと非ムスリムの関係性 / ムスリムのアイデンティティ / 戦略知 / 非ムスリム / 移民 / 異教徒の共存 / 宗教的アイデンティティ / 移民社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、ムスリムによる非ムスリムとの共存に向けた戦略的な行動や思想のなかに、国境や民族を超えたムスリムとしての同胞意識に裏打ちされた水平的な連携関係を見出すことで、ムスリム固有のコネクティビティや信頼構築の諸相を解明する。主に研究対象とするのはアラブ、南アジア、東南アジア、ヨーロッパ、日本で、ムスリムと非ムスリム双方の視点から明らかにすることに力点を置く。これにより、ムスリムの異教徒との共存において、宗教的正当性という絶対的な説得力に裏打ちされつつも、対立を回避するための戦略の転換、すなわち可変性をも含みうるかを考察することで、現代の紛争解決に向けた示唆を提供することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度のB02班は、来年度の叢書刊行に向け、成果の執筆に注力した。8月8日に研究会をオンライン形式にて開催した。ここでは2023年度からB02班公募研究者として採択された池端蕗子(立命館大学)に同タイトルで報告してもらい、小野仁美氏(東京大学)にコメンテーターをお願いした。イスラーム諸国やウラマーがどのように国際的に結びつき、人権概念の再解釈と人権に関する国際的な合意形成を行っているかが検討された。 10月21日にはワークショップ「シリア人、トルコ人、レバノン人に対する意識調査の結果分析から読み解くイスラームのコネクティビティ」を開催し、分担者青山弘之が報告し、参加者が議論を通して原稿内容のブラッシュアップを目指した。 11月18日のイスラーム信頼学全体会議の一般公開シンポジウムでは、班代表の山根が「南アジア・ムスリムの食がつなぎ、育むもの」という題で基調講演を、そして研究分担者の工藤正子(桜美林大学)が「移民家族における食とジェンダー:つながりとアイデンティティに着目して」という題で報告をそれぞれ行った。 さらに3月16日に東京外国語大学AA研にてB01班と共催で開催予定の国際ワークショップ“Bridging the Past: Connectivity in Historical Narratives and Regime Shifts in the Late Ottoman and Post-Ottoman Periods”では、研究員の藻谷悠介(大阪大学)が“Connecting with Syrians: Muhammad Ali's Rule over Syria in the 1830s”という題目で報告した。このワークショップには海外から気鋭のオスマン史研究者を招聘し、課題研究の成果を英語で広く発信する貴重な機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
B02班は来年度の叢書刊行に向け、分担者がそれぞれの調査・研究とその成果の執筆に注力してきた。研究会では、叢書の原稿の読み合わせと議論を行い、その内容を吟味・反映することで、叢書の原稿の内容が全体として統一性をもちつつ、B02班が目指すムスリムのコネクティビティに見られる「思想と戦略」の解明ができるように進めてきた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題も1年を残すところとなったので、これまでの成果をとりまとめ、叢書の形でムスリムの思想や戦略性を明らかにして行く。それは、対立や紛争の続く現代において、共存を求める手掛かりになる「カギ」を探し求めていくことが「相手を知る」ことになり、そのことが「自らを知る」ことにつながっていくと信じているからである。本研究は、ムスリム社会と非ムスリム社会を分け隔てて考えるのではなく、われわれ日本人の社会で今起こっている事象とも密接に関係することだと信じており、研究の最終成果刊行に向けて、昨年度同様、研究会を通じて成果に関する議論を続け、成果の刊行を目指す。また、必要とあれば海外での資料収集も行うこととする。
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