研究領域 | 超秩序構造が創造する物性科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05880
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脇原 徹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70377109)
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研究分担者 |
増野 敦信 京都大学, 工学研究科, 特定教授 (00378879)
北村 尚斗 東京理科大学, 創域理工学部先端化学科, 准教授 (10453812)
小野 円佳 東北大学, 工学研究科, 教授 (20865224)
伊與木 健太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (50782174)
若林 整 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (80700153)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
172,510千円 (直接経費: 132,700千円、間接経費: 39,810千円)
2024年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2023年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2022年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
2021年度: 30,030千円 (直接経費: 23,100千円、間接経費: 6,930千円)
2020年度: 78,000千円 (直接経費: 60,000千円、間接経費: 18,000千円)
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キーワード | ガラス / ゼオライト / 半導体 / 電池 / 超秩序構造 / 蓄電材料 / 蓄電池材料 / 半導体材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では試料創製班、手法班、理論班から得られる超秩序構造物質に関する情報を利用、社会実装へ向けた、具体的な材料の作りこみを行う。他班と連携することにより社会実装が容易になる。特に、触媒活性点、ドーパントなど、材料の物性を支配する微量元素の秩序構造を精密制御する。本研究では、「超秩序構造」の制御が必ずしも完全に達成できておらず、結果として材料特性に限界があった材料系(ゼオライト,蓄電池材料,ガラス,半導体材料)に焦点をあてる。すなわち、従来限界を超える物性を有する材料創製を他班の支援の下実現し、日本科学のプレゼンス・日本産業の強化に大きく貢献できるものと考えている。
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研究実績の概要 |
リチウムイオン電池の負極材料としてTiNb2O7などの材料に注目し、負極特性の向上を試みた。In置換により充放電サイクル特性の向上に成功し、In置換体をボールミル処理により微粒子化し、さらに熱処理を行うことで、高容量と優れたサイクル特性の両立を達成した。大型放射光施設での局所構造解析によりVPI-7(VSV 型)ジンコシリケートを代表とするゼオライトの水熱合成時の秩序化過程について考察をおこなった。解析用の装置設計の見直し、合成原料・液組成・反応温度などを調整して対象とするゼオライトの高速合成も併せておこなった。誘導期間における微細構造の形成過程およびゼオライトの結晶化メカニズムについて知見を深めた。散乱の小さいシリカガラスの処理条件を求め、ガラスの構造や特性が処理条件でどのように変化するのかを調査した。圧力範囲、保持時間、処理温度を明らかにし、ファイバ紡糸の適切な条件を求めた。特異な青色を呈するガラスの開発に成功し、Mnの価数や局所構造が一般的なガラスとは異なっていることを明らかにした。希土類-MoO3二元系ガラスの合成に成功し、構造解析の結果から同組成の結晶とほぼ同じ原子配列を有していることを明らかにした。二元系(MgO-SiO2)において,MgO過剰領域において熱伝導率の増加を見出し、ガラス科学の常識とは逆の傾向であった。高い熱伝導ガラスとして熱伝導フィラーへの応用が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ランダムに分布している不純物や原子配列の不均質性によって材料の機能性は影響を受けることは多い。しかしながら微量のドーパントや空隙構造などの理解は十分ではない。現在、構造・物性・機能の制御が完全に達成できていない材料として、ゼオライト、蓄電池材料、ガラス、半導体材料があげられる。これらの材料群に注目し、超秩序材料の設計による高機能材料の開発とその社会実装へ向けたスケールアップ検討を目的としている。本研究により得られている成果は超秩序構造を有する材料の実用化へ向けて不可欠なものである。さらに、これまで不可能であったゼオライトの組成チューニングの達成・さらなる改良、ガラスの劇的な性能向上といった圧倒的な成果に加え、超秩序構造ライブラリーの構築などがさらに進んだ。また、他班との共同研究も順調に進捗している。以上よりおおむね順調に進展していると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
以上の成果は、超秩序構造を有する材料の実用化へ向けて不可欠なものである。2023年度の研究成果を基にし、理論班および手法班と連携することにより、より発展させ超秩序構造のライブラリーを作成し、それに基づく超秩序構造に基づいた材料設計、デバイス試作を進める予定である。加えて得られた知見を学術論文や学会発表を通じて成果報告を進めていく。
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